世界の混乱とひだまりの地方議会その4
ひだまりの地方議会といっても沢山あります。
ガチスやデンゲルと経済的にも人的交流も活発で、今回の地方選挙の後でも一定の勢力を保った地域もあれば、ひだまりの民の勢力が圧倒的になった地域もあります。
前の話で触れた、条例や予算に関しても、その地域によってさまざまなドラマがありました。
実はコウメイたち中央がこの点について深入りしなかったのは正解でした。
まず第一に各地方で方針を決めるという決定は、彼らの自主性を育むことになりました。
別の表現を使うならば自分たちの運命を自分たちで決める知恵と知識と経験と覚悟を身に着ける機会となったのです。
もし中央がいちいち指示を出した場合、今後も彼らはその方式で事を進めることとなり後日の負担増になる危険性がありました。
さらに、意地の悪い見方として彼らが自分たちで決めたことであれば、もし失敗してもその損失は彼らが被ることとなり中央には波及しないという面もありました。
とにかく、かつて6人組やコウメイ、テレス、ヒキコモリーヌたちが経験した「自分たちを守る戦い」を今度は各地方の人々が行うことになったというわけです。
ここで、ある二つの自治体、地方議会の様子を見てみましょう。
A市 (仮称)はガチスとデンゲルとの交易が盛んだったためにひだまり派の議員の割合が少ない状態でした。
この場の地方議員は条例も予算編成も多数決で負けると分かっていたので、あまりそこにエネルギーを費やしませんでした。
その代わり、予算の中で明らかに無駄、私服を肥やしている思える問題をピックアップしてSNSなどで親ガチス、デンゲルの議員たちを糾弾する戦術を行います。
その結果、選挙期間外であるにもかかわらず、ガチス派、デンゲル派の議員の人望はガタ落ちとなり議員辞職勧告や給料削減案などのからめ手で議会内の闘争を有利に進めることが出来ました。
それを見ていた日和見の議員たちもガチスやデンゲルから距離を置くようになり、当初手が出せなかった条例や予算についても発言権を得るまでに勢力を伸ばすことができました。
もう一つの事例は次回に紹介します。
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