破竹の勢いその9

さて、「破竹の勢い」作戦を実施するべくいつもの6人組とヒキコモリーヌたちはいつもの会議室に集まり、ひだまりの若手官僚たちと会議を始めました。


もうずいぶん前の話なので復習しますが、今までの情報戦でガチスやデンゲルに対して向けていたエネルギーの多くをひだまりの地方議会やメディアと言った国内向けのプロパガンダに変更するという内容でした。


その発言をヒキコモリーヌがした時、さすがに若手官僚たちは動揺しました。

以前も述べた通り官僚というのは「変化」を嫌う存在です。

6人組たちは現場を長年経験し、自分たちで考え、内外の変化に対応する点で柔軟でしたが、官僚たちの多くは真逆の性質を持っていました。


ここで、コウメイとテレスが以前丁寧に説明した「破竹の勢い」の故事を引用して官僚たちを説得しました。

もちろん、官僚たちの自尊心を傷つけるような表現は省き、あくまで今までの流れと現状の分析、今後の見込みについて丁寧に説明しました。


その後多くのやり取り、質問が若手官僚たちから多く出されました。

その時、バグダはニヤニヤとしながら、何やらメモを取っていました。

6人組との話し合いではその働きを高く評価されていたバグダでしたが、その説明をこの会議ではあえてしませんでした。


そのため、若手官僚たちの認識では、以前やらかした変人という評価のままであったためほとんどの人が彼に注目しませんでした。

稀に注目した人も、「不気味」という印象でした。


実はこの時バグダは若手官僚の質問を分析して、彼なりの嗅覚で裏切り者と思える人物について様々な情報や発言をメモしていたのです。

同様のことをテレスと仲間たちも行い、裏切り者に対する警戒を怠らず、作戦に支障をきたさないように布石を打つための準備をしていました。


官僚特有の慎重論と裏切り者と思われる者たちのあまり意味のない、あるいは妨害をするような質問のありましたが、6人組とヒキコモリーヌ、コウメイ、テレスが強い熱意をもって説得したために基本方針がまとまりました。


ひだまり国内の地方議会とメディアを主要目標にした、「破竹の勢い」作戦はこうして決行となったのです。

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