ひだまり奪還の狼煙
ガチスとデンゲルをはじめ諸外国の看過できぬ干渉を受けていたひだまりの国の国民の為、ついに「破竹の勢い」作戦は開始されました。
すでに、SNSなどの電脳戦によってガチスとデンゲルの手の者たちの組織力と団結力はズタズタになっていました。
そこで、主に地方の若手官僚たちに決起を促し、地方議会の勢力を取り戻す方策がとられました。
具体的には、地方の若手官僚と地元の商工会が念入りに話し合いを行い、信用に足る人物を選出して議員となるように説得し、立候補させるのが一つ。
さらには、身体障碍者や生活保護を受けている者たちの中からも、議員として問題のなさそうな人材を選抜することもしました。
意外に思われる方もいるかもしれませんが、以前の「カリン事件」でも扱った通り、障碍者クラスタは一定の規模があり、地方議員を出し、応援するには都合のよい存在でした。
例の不慮の事故にあったインフルエンサーたちは諸外国の手下でしたが、それもひだまりの民たちの情報戦のおかげで、一部の洗脳と影響力はほとんどなくなっていました。
こうなると以前は諸外国の駒として一定の政治力を持っていた彼らが味方になることはとても心強いことでした。
また、生活保護に限らず昨今の混乱で困窮し職を失った者は多かったので、議員になって見返してやろうという人たちも多くなりました。
以前のように立候補者が少なく、投票率も低く、いつも同じメンツが当選するという事態にはならないことが目ざとい者たちからすると明白でした。
そして、その動きを見た目ざとい地方議員たちもこの流れに乗るべく将来の勝ち組となりうる勢力に接触する者も増えていきました。
地方官僚たちや有志の地方議員たちは調略により以前の敵と手を組むことを積極的に行っていきました。
こうして見ると相変わらず選挙は一部の者たちの世界で一般層には広がらないという懸念も現場にはありましたが、その点を克服するべく、ひだまりの有志たちはいろいろ工夫しました。
その点は次回に紹介します。
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