破竹の勢いその4

魏の曹操の時代から約70年、呉とその水軍に勝つことなく続いた三国志の時代、

曹操時代の弱点であった準備不足と呉お得意の謀略を克服したように見える状態になりました。


少し蛇足ですが、呉の皇帝は孫氏です。

あの兵法書で有名な名将孫子の末裔を名乗っています。 (孫武)

呉は水軍が強いイメージで事実圧倒的に強いのですがそれだけではありません。


赤壁の戦いの黄蓋(こうがい)が有名ですが、敵に寝返ったふりして敵を誘い出して殲滅するという計略を何度も成功させています。

私などは何で何度も引っかかるのかなと思うのですが、あの名将曹休も信じ切って無理したので相当演技がうまかったのだと思います。


杜預(とよ)ももちろんそうした歴史と言うか彼の時代だと経験と言った方が近い事柄をよく知っていたはずです。

なので、彼は自分から計略を仕掛けます。


杜預が上司の死後、その後を継いだ隙をついて、呉が攻めてきました。

先ほど述べたように杜預は準備がしっかり整った状態で任に着いたので隙がなく逆に呉を返り討ちにしました。


呉の指揮官はそれを恥じ、皇帝に報告しませんでしたが杜預はその隙をついて一計を案じます。

その結果皇帝はその司令官を益々信用しなくなり、ついには前線から引き抜いてしまいます。


そのような事があったので後任はどうも前任のような士気の高い人物ではなく、呉の防御線は相当弱体化したようです。

この点は後で説明します。


そして年が明け、武帝は呉を征服したいという渇望をもってその年を迎えました。

そして、そのようなタイミングで杜預は武帝に上奏します。

この内容はそこそこ長い文章ですが大事なポイントがいくつかあるので全文を次回に紹介します。


次回に行く前に、今までの6人組とコウメイ、フウイ、ヒキコモリーヌたちの活躍と行動を思い出しながら次の冒頭の文章を読んでいただけたら幸いです。

では、次回は杜預が皇帝に決意を促す文章を紹介してスタートです。



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