ひだまりのスパイの進捗状況
話の中心は以前取り上げたひだまりの国のためのスパイ網構築の進捗状況でした。
まず、元々ひだまりの側に立ってSNS活動をしていた人材からスパイに適していると思われる人物たちの報告がありました。
その話をする前に、スパイの資質について補足したいと思います。
スパイとはもちろん思慮深く、臨機応変に事に対処し、優秀でなければ務まりません。
うっかり秘密を喋ったり、余計なことをしたりしてはもちろんNGです。
しかし、それらと同等以上に重要な資質があります。
それは「平凡な事」です。
スパイの見栄えがあまりに優秀だったり目だったりするとそれだけでガチスやデンゲルは警戒します。
逆に無能に見えてもそれはそれで目立ちます。
実は平凡であることで、相手に安心感を与え、空気のように警戒心を与えないという特殊スキルが発動するのです。
また、潔癖過ぎてもいけません。
付き合いが悪かったり、ノリが悪いと判断されると疑われるより前に嫌われるようになり、当然情報も入ってこなくなります。
ゆえに、スパイはかなり選抜された、それでいて平凡な人が向いているのです。
さて、スパイたちの報告の中で面白い現象について触れていきたいと思います。
先ほど他の官僚たちから話があった通り、ガチス内部で足の引っ張り合いが発生していました。
スパイによるとガチス上層部でも足の引っ張り合いによる競争が激化しているとのことでした。
それはAIの判定である特定のSNS界隈ではとても高得点をあげることが出来ることが知れ渡り、縄張り争いが勃発したということでした。
こちらはAIの低評価による罰とは無縁でしたが、それでも自分だけはいい思いをしたいというガチスの上級国民の総意がひだまりのようなチームワークではなく。個人プレイにそれぞれを駆り立てていたのでした。
つまりガチスの情報網は上と下、両方で足の引っ張り合いを行い、混乱を生じさせていたという報告でした。
スパイはさらに興味深い報告を続けますが、次にその話は譲ることにしましょう。
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