猟犬を生かしてうさぎも残る その18
「猟犬もうさぎも人も生かす」
なるほど、とコウメイは閃きました。
何が閃いたのが、コウメイはこう言いました。
「要は餌を与えりゃ満足するわけだ、だったら彼らに餌をくれてやれば犬はうさぎを狩らないし、人も獲物を与えればそれ以上のことはしてこない、あるいは出来ないはずだ!!!」
コウメイの発言に周りのみんなは?????????
流石にコウメイが知者、賢者であるという認識があるので頭おかしいと思って口に出した人はいませんでしたが、この発言を引き出した天然のサンを含めみなポカーン状態でした。
コウメイも説明の必要を感じたのか、少し時間をおいてから説明を始めました。
「まず、猟犬にうさぎを狩らせない、これは絶対条件です。その上で犬が満足する成果を与えればよい」
具体的にはガチスのAIによりポイントの高いプレイヤーとその項目を分析する。
それが分かったらひだまりの電脳空間で彼らの疑似的な狩場に誘い込み彼らの望みにかなう実績を与えるように環境を整える。
その一方でうさぎが狩られることがないようにガチスの工作員のいる場所に6人組の部隊などを配置して無駄な論戦や遅滞戦術を駆使して彼らのスコアーを落としていく。
恐らく今のガチスのAIとポイント制を考えるとそうした成果の上がらない工作員はどんどん淘汰されていく、つまり、「我々ではなく優秀なガチスのシステムとAIにガチス工作員と戦ってもらうように誘導すること」
「まだ、大雑把な感じだがこのアイデアならガチスのすべてに十分対抗できるはず。
敵が強ければ強いほど、規律に厳しければ厳しいほどこの策は有効になる」
コウメイとしてはかなり丁寧な説明をしたつもりでしたが、この会議室で理解をしたのはごく少数でした。
変わり者のバグダはニヤニヤしてました。
結論から言うと彼が一番理解していたのですがやはり変人扱いだったので周りは誰も理解してくれませんでした。
何となく理解というか良いと感じたのはヒキコモリーヌとムーンでした。
特にムーンは電脳空間のくだりがピンときたみたいでした。
彼女の空間をイメージするセンスとこの話は何か重なるものがあったのかもしれません。
さて、後の人々の反応とその後の動きはどうなるのか。
それは次回に持ち越します。
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