猟犬を生かしてうさぎも残る その7

ヒキコモリーヌと仲間の若手官僚たちは情報の共有と対ガチス、およびデンゲルに対する反抗姿勢を共有することに合意しました。

この事で、SNS内での情報だけではなく、各省庁からの情報をヒキコモリーヌたちは知ることが出来ることになりました。


もちろん、情報漏洩というのはとても危険な事でしたが、そこは各官僚とも心得たもので、法律や慣習に引っかからない形であうんの呼吸で意思と情報伝達を行うことになります。


これによって、外交、防衛、経産、財務において情報の共有と防諜に関するより明確な指針が出せるようになりました。

そして、その情報や指針はヒキコモリーヌを通じて6人組を含む民間のひだまりの民とも共有することになりました。


この時点で、ひだまりの民は若者中心とはいえ、官民合同、国民団結の体制でガチスとデンゲルとの明確な対決姿勢を持つ組織を構築することに成功したのです。


ちなみにこの官僚の力強い動きには裏事情があります。

カリンという若く、魅力的な女性が不幸な事件に巻き込まれ、心身共に深刻なダメージを受けた時、多くの人々がそのことに怒りと涙を浮かべ、理不尽を恨みました。


その時の熱烈なファンの中に少なからぬ数の若きエリート官僚たちが存在していました。

平和ボケしたひだまりの若者の中でもこうした事情で覚醒した者がいたのは特筆すべきことでした。


さらに余談ですが、この機にガチス、デンゲルだけではなく、ソーラー連邦のような大国の影響力を脱して、ひだまりの国の真の独立を勝ち取ろう、という勇ましい意見も一部ありましたが、まずは目先の差し迫った脅威であるガチスとデンゲルに対処すべきという意見が強かったためその意見は保留となりました。


さて、ひだまりの国の中に一つの大きなまとまりが出来、ガチスとデンゲルの暴虐無人なひだまりの国への介入の動きが止まり、一見大幅な改善が見られたように見えます。


しかし、状況を冷静に見るとある人物はまだまだ極めてひだまりに不利と見ていました。

コウメイの名を持つヒキコモリーヌとテレスの盟友は今の状況をざっくり見て8対2

、今だ安心するには遠い位置であると気を引き締めていました。


次の話はガチス、デンゲル、ソーラー連邦、ひだまりの国についてそれぞれ紹介したいと思います。




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