テレビ放映戦国大名総選挙その54 織田信長

織田信長、そのすごさについてはこの章で書いていきたいと思います。

前回ネガティブなことばかり書きましたが、これからは信長の魅力を多めに紹介したいと思います。


まず、彼は「決断力が早い」です。

以前も紹介した楽市楽座や鉄砲の導入については彼の発案ではないとされていますが、それをすぐに導入したという点では彼の決断は非凡なものでした。


また、彼は商業をとても重視していました。

これが、織田家の経済力を各段に高め、貿易などにより技術力を引き上げ、それに伴う日本全国の情報と南蛮などの世界の情報を集めることになりました。


兵農分離も鉄砲の大量運用もこうした経済力と技術の飛躍的発展があって初めて可能なことだったのです。


ここで、兵農分離について補足しておきます。


私の個人的な見解では農民を減らして、兵士にするという形での兵農分離はそれほどされておらず、むしろ中世ヨーロッパの傭兵に近い存在を信長がその経済力で養っていたという仮説に基づいて話をすすめていきます。


ここでもう一つの信長の特性を紹介します。

それは弱点を把握して改善する能力です。


とりわけ彼は自分の治める尾張の国の兵が弱いと考えたのかのか、先ほど述べた鉄砲による戦闘を先進的なレベルで多用しました。


同じ時期武田信玄や上杉謙信も鉄砲に関心を示しある程度は装備しましたが、元々の自国の兵が強いこともあり信長とは明らかに違う一部のみの使用にとどまりました。

そして、後日この違いが信長の覇権と武田上杉両家の衰退という結果になります。


それと信長は弱い点を補強する一方で機動力を強化したようです。

これもまた、傭兵の確保と相まって有利な戦いをする決め手になりました。


なぜなら、農民兵主体の勢力にとっていつでも攻め込まれるというのはとても恐ろしいことでした。


農業の忙しい時期に攻めてこられたら兵が集まらないうえに、無理して集めてもその時の収穫に影響が出ます。


これは軍事的にも経済的にも大打撃でした。

また、農民兵の場合はあらかじめ戦争前に準備やお知らせをしなければなりませんが、傭兵の場合準備の時間もお知らせの手間も簡略化できます。


常に先手を打つことが出来、かつ進軍速度が速いため自国の防備をする時間も足りなくなる事態もありました。


つまり、戦の弱い軍隊を戦をする前から圧倒的に有利な状況にしていまうという離れ業をやってのけたのです。


さて、次のお話では信長の朝廷、幕府、宗教について触れてみたいと思います。





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