テレビ放映戦国大名総選挙その40 武田信玄

さて、武田信玄が高視聴率を上げたことは前の章でも話しましたが武田信玄が大河ドラマで強かった理由を考えることは、将来の戦国島津大河にとっても有益であると思います。


武田信玄が当時強かった背景について、地元が強烈に応援していたというのがあります。


実はこれは上杉謙信もそうなのですが、地元の人たちが熱狂的なまでに武田信玄を崇拝していました。


それこそ、よそから文句を言わせないという意気込みで一致団結していました。

それだけではありません。


地元の観光や商業関係者が熱心に協力、応援していました。

実のところ、これといった観光や産業が少ない山梨、甲府において武田信玄に関連した施設、祭り、お寺、神社は沢山あり皆その恩恵にあずかっていました。


でも、勘違いしないでくださいね。

彼らは儲かるから応援したのではなく、逆に何にも動じないほどの強い熱意を持って応援、協力したので結果として恩恵が付いてきたのです。


つまり、大河ドラマを放送する前から、全力で応援する気満々だったのです。

こうした空気があると、最近の日本であるような「うまくいかなかったらどうしよう」という迷いと消極的な思いは跳ね飛ばされてしまいます。


とにかく熱狂的な武田信玄崇拝と自信に満ちた当時の世相が重なって武田信玄というおばけコンテンツを生み出したというのは間違いないと思います。


そして、もう一つ触れておきたいことがあります。

それは、長野県あるいは信濃の国についてです。


武田信玄はその物語の筋書きの上でどうしても長野県を侵略する場面が出てきます。

でも、当時それが問題になったということはほとんど聞きません。


これにはいくつか理由があると思います。

まず第一先ほど触れたように武田信玄を崇拝したり熱烈に応援する人々が強すぎて批判しにくかったことがあります。


今でいうならジャニーズやAKBを軽々しく批判できない空気みたいな感じでしょうか。


それと基本的には歴史を淡々と語っていたため、当初の武田家内での争いや家臣団との葛藤、そして信玄自身の失敗についてもドラマとして放映したのでバランスが取れていたこと。


そして、長野を紹介するメリットを考えて、前向きにこの大河ドラマを活用しようと考えたのではないか、私にはそのように移りました。


次の章では武田信玄のドラマのシナリオと地元の人たちの反応について書いてみたいと思います。








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