テレビ放映戦国大名総選挙その34 武田信玄
武田信玄は慎重な人物です。
相手が弱いとなれば戦い、奪い、配下に加え地域を制圧しますが相手が強いとわかると正面から戦わず、相手の弱点を見つけようとします。
さらに加えるなら、自分の敗北の可能性を低くするための工夫をします。
そして、上杉謙信と戦ったのち、最初に行ったことは何か。
それは三国同盟という軍事同盟でした。
具体的には信玄の本拠地である甲斐の国の南にある今川氏、それと南東から東を抑える北条氏との同盟でした。
戦国時代の同盟というのはあまりあてになりません。
しかし、この同盟にはいくつか工夫がありました。
第一にお互いに婚姻関係を結ぶことで三者が対等な条件で同盟を結べたこと。
二つ目にお互いが背中を預ける形になり、前の敵だけを相手にできるという大きなメリットが生まれること。
そして、これが恐らく信玄の最大の保険だと思われますが、三者の力が高いレベルで拮抗しているため、万が一どこかが裏切っても残りの2つの同盟が裏切り者を撃つことになるため裏切りが出来ない性質のものでした。
こうして、締結した時点では信玄自身も鉄壁と感じたであろう同盟が結ばれました。
そして、この同盟によって信玄はもう一つの狙いがありました。
それは上杉謙信を北条氏と一緒に攻撃するという作戦です。
先ほど触れた通り、武田と北条は国力的にもそれほどの差はありません。
その点は上杉謙信も同じです。
つまりざっくり言って武田と上杉の一対一の戦いが、北条を含めた二対一になったわけです。
恐らくこの同盟が締結した時点で、信玄は信濃の残りの領域と越後の主な部分を攻撃、占領できると計算したと思われます。
もし、敵と味方の力が今までと同じ兵力で同じ能力の大将であれば、信濃で幾十回と戦い、そのほとんどで勝利したわけですから自然な計算と言えるでしょう。
しかし、信玄の計算は見事に覆されてしまいました。
それは上杉謙信の想像を超えた戦闘力と統率力があまりにも強かったため、ついに信玄は謙信に勝つことが出来なかったからです。
次の章では信玄の計算が狂った経緯とそのことで生じた多くの誤算について紹介したいと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます