第263話 ねこネコ編(5)懐かないオスねこ?
さて、祭り之介が南の窓ぎわを見るとそこには「スフィンクス座り」をしているねこが2匹いました。
一匹は大きな黒ねこ(オス)でした。
年齢は5歳くらい、無愛想でふてぶてしい、というのが祭り之介の第一印象でした。
馬骨が近づいてきて、アドバイスをします。
「ゆっくり横から手を頭にのせてなでてみるといい、それから背中をそっと撫でてみて」
その通りにすると、心なしか黒ねこの目が穏やかになりました。
祭り之介が何度か触っていると、馬骨は「あまりひつこいとオスねこは嫌がるからそのへんで・・・」とアドバイス。
祭り之介が手を引っ込めようとすると隣にいた別のオスねこが「ニャーお」と繰り返し泣いてきました。
このねこの大きさは黒ねこより少し小さめ、姿は白と黒のパンダみたいなお姿でした。
祭り之介が戸惑うと、馬骨は「触ってほしいみたいだからさっきと同じようにさわってみたら」と提案しました。
提案通り、頭を撫でると、パンダねこは目を瞑り、満足そうな顔のご主人様のようなふてぶてしさを見せていました。
そうして、祭り之介が落ち着いて頭をなでていると、すぐさま初めの黒ねこが「ニャーお」と繰り返し泣きだしてきました。
さっき、もうあきたみたいな顔したのになんだこれは、と祭り之介はいぶかしげに思いましたが、馬骨はまたもや解説をします。
「マウント争いだね、ねこから見ると祭り之介は従者みたいなものだから、パンダねこは自分にもマッサージしてほしいので泣いたし、黒ねこは祭り之介を取られたと思い取り返すために苦情を言ったって感じかな」
ねこの世界は複雑怪奇、雌ねこのえなこチャンみたいな嫉妬とは別に、雄どうしでもこうしたことがあるのかと祭り之介は妙に感心しました。
そして、頭をなでる動作をそれぞれのねこに交互に同じくらいの時間をかけつつ、片方が泣く様子を見て少し慌てる祭り之介でした。
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