第243話 誘致絶望編13 コモロウと仲間達

コモロウにとって最近日課になったことがありました。

それは毎日何通か、時には二桁になることもある感想のメールです。


以前お話した通り、彼女はネットの世界で言葉づかいがあまり丁寧ではなく、ぶっちゃけガサツでした。

それゆえ、祭り之介やフウイとしか会話が出来なかった状態が長く続きました。


しかし、いま彼女が書いている「島津日新公いろは歌編」の感想を見ると、皆褒めてくれたり、ためになる知識を教えてくれたり、感謝してくれたりとまるで「元気玉」を毎日もらっている状態でした。


ごくまれに(!?)と思う感想もありましたが、そういう面倒くさそうなのはフウイに回していました。

なので彼女の精神状態がすごぶる良好な状態になっていました。


こうしているうちに、彼女と定期的にやり取りをする仲間が現れ始めました。

女性と思わしき人も男性と思わしき人もそれぞれいましたが(ペンネームで見た限りですが)女性が7割ぐらいかなとコモロウは見ていました。


こうした人たちは、小説の感想や意見をやり取りするだけでなくお互いが小説を書いているので書き手としての苦労や本音も話題に上るようになりますます親近感が湧いてくることになりました。


こうして、小説家たちにもまれていくにつれ、彼女の小説でも文体がより柔らかく、より丁寧な表現が多くなりました。

彼女の粗野とも思える言葉づかいは祭り之介やフウイのいる時に限定されていき、しかも言葉の量も少なくなっていきました。


猫をかぶっているという見方もあるかと思いますが、上品になるのは良いことなので黙っておきましょう。




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