第234話 誘致絶望編5 祭り之介通院す(その2)

祭り之介は前に行った病院から徒歩で15分ぐらいのところにある心療内科に向かいました。

そこには、ささきいさおに似た日焼けして健康そうな男性の医者がいました。


祭り之介は前の病院と同じように自身が眠れないこと、気持ちが盛り上がらないこと、そして最近はめまいや立ち眩みがするようになったことを伝えました。

お医者さんは聞き役に徹していましたので、全部で2~3分で診察は終わりました。


病院での時間配分は診察までの時間が10~15分ほど、会計と処方箋の紙と領収書をもらうのに10分ほど、そして近くの薬局に行き薬をもらうのに10分ほど、薬剤師さんとの面接が1~3分ほどでした。


祭り之介が以前総合病院で治療を受けた時はこの1.5倍は時間を取られたので少しあっけないと感じていました。


薬は朝晩に一錠の薬と朝に一錠の薬、夜に一錠の薬と3種類ありました。

但し書きには、気分を安定させるとか食欲を増やすとか、他にも事細かく書かれていました。


といっても医学にとんと知識のない祭り之介でも理解できる表現で書かれているのでその点は安心でした。


こうして彼は今日に至るまで通院し、病院で診察を受け、時には薬を変え、時には診察するまでの長さを15日にしたり20日にしたりしながら様子を見ることになりました。


しかし、彼は強く危惧していました。


この謎のウイルスが治まるか、その影響が宮之城市から消え去るまで自分の病気は良くならないということを。

事実彼は多くの人と交流していましたが、その交流がウイルスのため制限され、祭りも誘致活動もまるで火が消えたかのようにその存在と記録を消してしまったのだから。

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