第196話 神聖隊といろはの「こ」
心こそ 戦する身の 命なれ 揃(そろ)ゆれば生き 揃わねば死す
現代語訳
心のあり方こそ、戦いをする者の一番大切なことです。
皆の心が一致すれば勝ちます。
バラバラであれば負けます。
決まりきったことなのです。
このいろは歌を紹介するにあたり、どのようなエピソードを交えようかいろいろ考えました。
主君と部下達との親密な関係をということで、光武帝と雲台二四将とか、武田信玄と24将とか、徳川家康と16神将とかの紹介をしようかと思いました。
しかし、このいろは歌の適用を小さな部隊として見た場合、少しピントが外れるなあと思いもう少し考えてみました。
そうして出てきたのが「神聖隊」です。
以前何度か紹介しました平野耕太先生の漫画、(アニメ)、「ドリフターズ」をご存じの方だとピンとくるかもしれません。
正直言いますと、このいろは歌に合う話を考えた時、神聖隊という言葉が浮かび、そのあとに、ああ、そういえばドリフに出ていたなあと気づいた次第です。
さて、神聖隊について紹介していきましょう。
紀元前378年に将軍ゴルギダスが結成した古代ギリシア・テーバイ(テーベ)の、ギリシアで最強と謳われた精鋭歩兵部隊である。
古代ギリシャにおいてテーバイはエリスとならび、男性の同性愛がもっとも行われた都市だった。
テーバイが位置する中部ギリシャ・ボイオチア地方では、少年愛で知られたヘラクレス崇拝がさかんだった。
アリストテレスの失われた著作には、ヘラクレスの甥であり、従者、愛人であったイオラウスの墓所に関する描写があるが、そこは古代テーバイの男性同性愛者のカップルが互いの愛を誓い合う場所として利用された。
プルタルコスは「神聖隊」の呼称はこの風習に由来すると考えている。
スパルタを破ったレウクトラの戦い等で活躍し、紀元前4世紀のテーバイのギリシア覇権確立に大いに貢献したこの部隊は、150組300名の男性の恋人同士によって編成されていたという。
なぜ男性同士のカップルから成っているかというと、愛する相手に惨めな姿を見せようとせず、かつ恋人を守って戦うだろうとの想定のもと設立されたためである。
彼らは国費で養われ、平時は専ら訓練に励んでいた。
つまり何が言いたいかというと、この部隊、男同士の愛が力の源泉でした。
そりゃあもう心は一つです。(意味深)
もちろん、それによって部隊の練度が上がったり士気が高まったりしたわけですが、この部隊説明にあった通りスパルタという国の軍団とガチで戦っています。
ちなみにスパルタというのは軍事国家の職業軍人、いや生涯を戦争にささげたプロ中のプロです。
経験や武装でも恐らく神聖隊は不利であったと思われます。
しかし彼らの一致した心(意味深)が奇跡の勝利をもたらしました。
いろは歌の「こ」ころのあり方が一番大事という教えはこの神聖隊を見てもあきらかなように思えます。
ちなみにこの神聖隊、後の戦いで254人が戦死したそうです。
負けたとはいえ彼らの結束の強さを物語る死者の数だと思います。
逆に考えると、相手が大軍であっても心がバラバラであれば、戦の仕方はいくらでもあるとも言えますね。
余談ですが、薩摩も男色についてはいろいろお話があるようです。
私は専門外なので遠慮しておきますが、戦国時代の薩摩とBLの世界は結構いろいろなネタがあると思いますので、良かったら小説や漫画などの創作物の参考にしていただければと思います。
小声で(それにしてもヒラコーさん、この辺の話もご存じの上でサンジェルマン伯爵と神聖隊をドリフターズに登場させたのでしょうか)
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