第76話 原作出来た。
しろのしろ市でアニメ原作の小説を書く話から数か月が過ぎました。
彼ら、あるいは彼女らはそれぞれが話し合いをしつつ部分部分を分担して物語を紡いでいきました。
それはとある有力武将の前半の約四分の一を描いたものとなりました。
あらすじとしてはその武将の出征から初陣そしてしろのしろ市とその周辺で起きた戦い、その中でどのように彼が活躍したかを戦記もののように描いたものでした。
その物語の中にはいくつかのエピソードが書かれました。その武将は色白でやる夫のような外見であること、猫好きであったり涙もろかったり、時には油断して大敗北を喫したりと、読者を飽きさせない工夫がいくつもちりばめられていました。
この物語を作る前にもいろいろなエピソードがありました。
例えば、しろのしろ市やかねみだけ酒造、また内外の協力者たちや企業からカンパや援助が送られてきました。
それは、資料を調べたり、物語の舞台に行き取材をする資金になったり、ドラマ化やアニメ化、小説を作っていることを宣伝するための広告費となったのです。
このことによって情報が方々に拡散するのと同時にしろのしろ市で強固な支持基盤をもつことになったのです。
また、この小説の作者たちは後でもめることがないように、もし小説が売れた場合は、しろのしろ市の有力者やかねみだけ酒造のしかるべき人達にその配分をゆだねることを宣言しました。
また。有力者たちも若い力を伸ばすためにもし、利益が出た場合に彼らの功績に報いることを固く約束しました。
彼らのほとんどは将来の大ヒットのために目先の利益は後回しにして行動した結果、とても動きの良い歯車のようにことが進み、彼らの目標はどんどん現実化していきました。
彼らはそうした協力や創作活動の工程をSNSに各々が拡散していきました。そしてそれを見た人々の多くがその活動を好意的にとらえたり、あるいは応援していってくれました。
そしてその流れがますます宣伝と拡散を生みもはやしろのしろ市だけではなく全国にそのブームが来るのではと予感させるところまで来たのです。
南の辺境であったしろのしろ市恐るべし、彼らの活動はトントン拍子に進んでいきSNSの拡散という形で全国に広がり、その流れを把握したとある会社がついにアプローチをしてきました。
その会社の名前はえいえい、70年の歴史を持つシミュレーションゲームの老舗でした。えいえいについての説明と今後のお話は次の章で説明しましょう。
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