第22話

 俺を刺した犯人たちは、俺を刺してから3日後に逮捕された。

 清空の他にも他の女の子にナンパし、強姦を繰り返しており別件で逮捕されたらしい。

 テレビのニュースでやっていた。


「一!

 元気ー?」


 清空が、病室に入って来る。


「元気ではないけど元気だよ」


「傷痛む?」


「うん」


「ごめんね……」


 清空が、今にも泣きそうな顔をする。


「気にしなくていいよ。

 悪いのは、俺を刺した犯人なわけだし……」


 俺が、そう言うと清空は少し悲しい目をした。


「あの人たち、他の女の子にも手を出してたんだって。

 私、今日は、学校を休んで警察署で話をしてきたんだ」


「そっか……」


「うん。

 私は、話をするだけだったけど、強姦された女の子は裁判するんだって……

 一も裁判するの?」


「わかんない」


 そんなこと考えたこともなかったな……

 でも、告訴とかしないとな……

 慰謝料の請求とかもしなくちゃだし。


「そっかー」


 清空は、そう言って俺の布団の中に入ろうとする。


「え?

 何をするの?」


「添い寝」


「……え?」


「ひとりじゃ、寂しいだろうと思って……」


「寂しいけど寂しくないぞ……?」


「私は、一がいないから、ずっと寂しい」


 この言葉、本当だろうか……

 かみさまが、用意した女の子が清空だとしたら、あの手この手で俺と付き合おうとするだろう。


「……ホントか?」


「うん。

 私は、誰のごはんを作ればいいの?」


「……お母さん?」


「お母さんと誰の分?」


「清空の分」


「お母さんと私の分と誰の分?」


「えっと……」


 でも、疑いたくない。

 清空が、かみさまが用意した女の子で、俺と付き合うことを目的に近づいてきた女の子だとは……

 それにしては、近すぎる。


  そう……

  近すぎるんだ……

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