第17話
「ないの?」
俺は、思い切って聞いてみた。
すると遥ちゃんが笑顔のまま答える。
「あるわけないじゃない」
なんか、悲しくなってきた。
「一にも選択権あるよ?」
清空が、優しく微笑む。
「お?」
「私のお洋服を洗濯する洗濯権!」
「服?洗濯?」
「下着も洗いたい?」
「……えっと」
返答に困る質問だ。
「そう言う"選択"なら、私の体を洗ってみる?」
遥ちゃんが、さらに困る質問をしてくる。
「2人とも自分のモノは自分で洗おう」
俺が、そう言うとふたりは、ガックリと肩を落とした。
「一には、下心とかないの?」
清空が、そんなことを言う。
「あってもなぁー。
清空の下着なら、見ようと覚えば……
ほい!」
俺は、そう言って清空のスカートをめくった。
「白にピンクのしましま……」
「一のえっちー」
清空が、照れくさそうに笑う。
「清空ちゃん。
ここは、怒るところよ?」
遥ちゃんが、そう言うと清空が胸を張って答える。
「一以外にされたら腹パンモノだけど……
一にされるのなら、いいかなー」
「飽きれた……」
「遥ちゃんは、一にこういうことされたらイヤ?」
「んー。
そうねー。
まず、一君は私にそういうことをしたいかしら?
そこも気になるわね」
「うーん、出来ないと思う」
俺は、頷く。
「ちょっと待って。
清空ちゃんにはできて、私には出来なくて?」
「だって、色んな人に殺されそう」
俺は、ため息交じりに答えた。
「あら?
私の下着を見ると殺されると思うのに、胸を触ろうとしたの?」
遥ちゃんが、なんか楽しそうに笑う。
「そうだよー。
私の胸も揉もうとしたくせに」
「清空のは、揉むほど胸はない……」
「あ、ひどーい」
清空が、頬を丸くさせて怒る。
「今のは、結構失礼ね」
遥ちゃんも冷たい目で俺を見る。
「そうだよ。
私だって、胸くらいあるもん!
Bだよ?Aの次に大きいんだよー?」
「清空ちゃん、怒るところそこじゃない……」
遥ちゃんが、苦笑い。
俺も思わず、苦笑いを浮かべてしまった。
「あー。
信用してないなぁー?
なら、触ってみる?」
「え?」
「貧乳の方が、感度はいいんだぞー」
清空が、顔を真っ赤にして抗議する。
これは、照れて赤くなってるのか?
それとも、怒って赤くなってるのか?
それよりも、俺はとりあえず尋ねておこう。
「感度って、俺が感じるモノなの?」
「え?違うの?
遥ちゃん」
清空は、経験豊富な遥ちゃんに尋ねた。
「大きい小さいで感度の違いはわかんないけど……
アレは、男のテクによってきまるわね」
「そうなのかぁー
じゃ、一、テクを磨いて来てから私の胸を触ってね」
「磨ける相手がいないよ」
俺は、ボソリと呟く。
「なら、私で磨く?」
遥ちゃんが、耳元で呟く。
「あ、抜け駆けずるい……」
清空が、そう言って俺の手を握り締める。
「あら、そっちも抜け駆け?」
遥ちゃんも、そう言って俺の手を握り締める。
なんだろう、この展開。
前の人生とは大違い。
かみさまが用意してくれた女の子は清空?
それとも遥ちゃん?
遥ちゃんは、俺をからかっているようにしか見えないんだけど……
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