第6話 ルイーナの魔法講座②

「さてと、お昼ごはん食べ終えたことだしさっそく続き始めていくよー」

「おー」

「まずは魔法の属性について教えるね。この世界の魔法は火・水・樹・雷・土・闇・光の七属性で成り立ってるんだ。例外として無属性があるけど、これを使える人は非常に少ないから今は気にしなくていいよ」

「はい、ルイーナ先生質問です! 風属性というのはないんですか?」

「風魔法は樹属性に含まれてるね。一般に自然を操る魔法は樹属性と覚えておくといいよ」

「なるほどね」

「で、人それぞれに属性に適性があるんだけど、普通はひとりにつき1属性、多くても3属性しか使えない」

「ちなみにルイーナの適性は?」

「わたしは全属性使えるよ。無属性も含めてね」


ルイーナの発言がいきなり矛盾した件について。


「そんな目で見ないでよ~。普通は、て言ったじゃん。わたしは例外なんだよ」

「ルイーナってもしかして魔法の天才?」

「うーん…どうだろ。わたしは全属性使える代わりに器用貧乏だからなー。どれも上級魔法までしか使えないし」


いや、それって十分すごいことなのでは?


「あ、そうそう。魔法にはランクがあって、下から初級、中級、上級、超級、王級という風になってるよ。。ここまでで何か質問ある?」

「特にないかな」

「じゃあ魔法の属性についてある程度わかったところでナギちゃんの適性を調べてみようか。ナギちゃんわたしにつかまってくれる? …って言われてどうしてわたしの胸をつかんじゃうかなぁ」


そこにおっぱいがあるからです


「まあいいや。【テレポート】!」

「うおっ」


次の瞬間私たちは冒険者ギルドの目の前にいた。


「あーびっくりした。今のは転移魔法?」

「そだよ。ちなみに無属性ね。あとわたしの胸から手を離してくれるとうれしいかな」


☆☆☆


「ナギ様。ルイーナ様。冒険者ギルドへようこそ。ご用件は?」

「ナギちゃんの魔法適性を調べようと思って」

「なるほど。ではこちらへどうぞ」


ナディアさんに連れられて『検査室』と書かれた部屋に入る。


「ではナギ様こちらの水晶玉に手を置いてください。もし火属性に適性があれば赤に、水なら青、樹なら緑、雷なら黄色、土なら茶色、闇なら黒、光なら白に光ります。めったにないですが、もし仮に無属性に適性があれば光が点滅します。どの属性にも適性がなければ残念ながら水晶玉はなんの反応も見せません。ここまでよろしいですか?」

「あの、複数の属性に適性がある場合はどうなるんですか?」

「その場合はそれぞれの色が混じりあった感じになります。他に質問はございませんか?

なければさっそくどうぞ 」


ふー、緊張してきた。


深呼吸しておそるおそる水晶玉に手を置くと――


「……反応がありませんね」

「あるぇ?」


おかしいな。普通ならここでレインボーに光って私tueeeeの展開になるはずなんだけど。


「その、ナギちゃんドンマイ」

「うそだっ! こんなのあんまりだ~~~」


猫の耳亭に戻った私が枕を涙で濡らしたのは言うまでもない。





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