外伝[コルト狂詩曲/Go-ahead]

Ex.1 [銀行/アンドロイドの叛乱?]

[銀行/アンドロイドの叛乱?]



 とある銀行にて。


「我々はアンドロイド義勇団だ! 人間に虐げられ、過酷な労働をさせられている世界中の同志のために立ち上がった! さあおまえ! ここにあるバッグにありったけの金を詰めろ。警察なんか呼んでも無駄だぞ。我々はアンドロイドだ。人間の法律などに従う必要はない! もう一度言うぞ。俺はアンドロイドだ! 間違っても人間なんかじゃ」


 ゥウーっと、外からパトカーのサイレンが鳴り響く。


「親分! サツが来ました!」


「なにぃ! いくらなんでもちょっと早くないっ?」


 武器を手に行員を脅している男だったが、手下の声に反応して素に戻る。

 また別の手下が冷めた口調で言った。


「そりゃこんなナリして銀行に入りゃ、誰だってソッコーで通報しますって」


 頭からはボール紙で作った仮面をかぶり。身体には往年のメタルヒーローを彷彿とさせるダンボールの鎧をまとっている。手にしたショットガンは本物らしいが、それ以外はまるでハリボテだった。


「くそぉ! せっかく夜なべして作ったのに! ええい仕方がない! 今日のところは撤退するぞ!」


 行員や利用客が皆手を上げて、彼らの犯行の一部始終を見守っているなか。

 自称アンドロイドの男たちは一銭も取らず、パトカーが到着するまえに銀行を飛び出し、用意していたボロボロのバンで、そそくさとその場から逃走していった。


〈つづく〉










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