14
次の日曜日に、晴は雨野天と一緒に、天の実家である隣町の三つ森町にある三つ森神社に行くことになった。
それは天が、「実家に一度、話をしに行こうと思うから、できたら三船くんにも一緒にきてほしい」と言われて、晴が「いいよ。わかった」と言ってその申し出を承諾したからだった。
天気は晴れ。
約束の朝、八時ごろに、花森駅の前まで、三船晴が移動すると、(晴は水色のシャツ青色のジーンズと言う格好だった、。足元は茶色の革靴だった)にそこには私服姿の雨野天(天は白いゆったりとした上着に青色のスカートをはいていた。足元は白いサンダルだった。バックは麦で編んだような大きなバックを持っていた)と、なぜか晴のよく知っている顔である、……私服姿の、斎藤幸がいた。(幸は水色と白のストライプの上着に青色のパンツという格好だった。足元はスニーカーだ。荷物は白い小さなリュックを背負っていた)
「おはよう。三船くん」
「よ、晴。おはよう」
と、天と幸がそれぞれ晴にそう言った。
晴は「おはよう」と二人に挨拶をしてから、幸のところに移動をする。
「? なによ?」幸は言う。
「なによ、じゃないよ。なんでお前がここにいるんだよ?」晴は言う。
「なんでって、そりゃもちろん、晴。あなたを監視するためでしょ? 雨野さんの実家の三つ森神社って、すごく歴史ある神社なんだよ? 晴一人じゃ、不安だもん。雨野さんは、いろいろとやることがあると思うし、私が晴の面倒をみないとね」と幸は言った。
「あ、一応言っておくけど、勝手に来たんじゃないよ。雨野さんに頼まれたんだからね。晴と同じでね」
その幸の言葉を聞いて、晴は天の顔を見た。
天は、「斎藤さんにも、あのあと三船くんと同じように、声をかけたんだけど、いけなかった?」と晴に言った。
「いや、悪くないよ。早く行こう」と晴は言った。
(晴はてっきり天と二人だけで、三つ森神社に行くものだと思っていたので、少しがっかりした)
「なによ。露骨にがっかりした顔しないでよ」駅の構内で幸が言う。
「そんな顔してないよ」晴は言う。
三人は先頭を天が、その後ろに晴と幸が少し距離をとって、二人並んで歩いている。
「……自分がお邪魔だってことは、わかってるよ」
少し拗ねた顔をして、幸は言う。
その幸の言葉を、晴は聞こえなかったふりをした。
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