仕事をバリバリこなす主人公と、しっかりしつつどこか頼りない後輩の彼。忙しい日々の描写は軽快で、何気ないやり取りの中から登場人物たちのキャラクターが浮かび上がってくる描き方がとても上手い。丁寧に作られた物語世界で、終盤一気に話が動いていく流れも自然で、無意識にドキドキと先が気になっていきます。主人公の気持ちが見えてくる過程と、明かりの表現とが秀逸です。『ひとつ、ふたつ、みっつ。』という題名が最後の最後でとても艶っぽく響きます。大人だって、切なくて甘酸っぱい恋してる。