顔認証

中国では顔認証によって個人の行動が常に監視されている。

そんなことがよく言われている。


香港の抗議活動においてマスクをして顔を隠したり、防犯カメラを破壊したりするのも、中国共産党が作り上げた監視社会に対抗するという意味合いが含まれている。



しかし、実際に中国で生活すると、顔認証による利便性も実感できることも確かである。


昨今では、顔認証だけで支払いができるという話も聞くし、中国のテクノロジーの導入の速度はすさまじい。



今年はじめに中国のある大学を訪れた際も、この顔認証はしっかり使われていた。



大学のなかでもいろんな場所で見た気がするが、特に印象的なのは留学生寮のゲートで使われていた顔認証である。


留学生寮のゲートはまあまあ厳しく、日本の駅の改札とほぼ同じ方式で、学生カードをタッチすればゲートが開くというものだ。

しかし、顔認証登録をした学生はカードがなくても、備え付けカメラに顔を見せるだけでゲートが開く。

なんだかうらやましく私もやってみたかったのだが、そもそも学生カードが発行されるまで1ヵ月以上かかるらしく、残念ながら顔認証登録をする機会もないまま帰国してしまった。



しかし、旅行中の外国人にも顔認証の機会はある。最近ではホテルのチェックインで顔認証が必要である。

これまでは中国公民だけが、チェックイン時に身分証を使って顔認証をしていたが、現在は外国人も必要になった。全国的にかはわからないが、上海ではそうなったようだ。


ホテルのフロントには、身分証読み取り機能と撮影機能がある小型の機械が置いてある。

やり方は簡単で、表示されるモニターに自分の顔が映るように、顔の位置を動かせばいいだけである。


外国人に関しては、おそらくパスポートの顔写真と照合していると思うのだが、入境時に撮られる顔写真と関係があるのかはわからない。


もうひとつ外国人が体験できると思われる顔認証は、上海ディズニーランドのものである。

ディズニーランドの入場ゲートを通過する時、実はさりげなく顔写真を撮られている。


この顔写真データはチケットと連携しているので、ディズニーの公式アプリから自分の顔がチェックできるが、油断している時に撮られているので、大抵マヌケ顔だ。


ファストパスの利用時などは顔認証によるチェックが入ったりするので、中国語で何か言われてもカメラを見ればなんとかなる。


日本人からすれば特に顔認証によってホテルやディズニーの利便性が高まったということもなく、ただセキュリティチェックの手続きが増えただけである。

とはいえ、めんどくさいというほどのことでもないので、この程度でセキュリティが高まるのならいいかなとも思う。

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