午睡

昼寝は良い文化である。



いきなり断言するのもなんだが、午後の作業効率は適度な昼寝によって確実に向上する。



スペインなどでシエスタという習慣があるらしいが、中国人にも似たような昼寝の習慣があるようだ。



中国の大学では昼休みはかなり長く2時間くらいはある。この間に中国の学生はゆっくり昼食を楽しみ、午後の授業に備えて寮の部屋でしっかり寝るのだ。


もちろん昼休みに何をするかは完全に個人の自由である。


中国の大学の学食は国が補助を出しているため非常に安く、かつ美味しい。

昼休みに友だちと学食で火鍋をつつくのもなかなかよいもんである。


しかし、それでも時間が余る。寝室に帰り、ちょっと宿題を片付ける。だが、まだ時間がある。


そんな時は20分ばかり寝るのである。


午後イチの授業が入っていなければ、もっと爆睡できることは言うまでもない。


私の実感としてはこの昼寝の効果は抜群で、午後の授業ではほとんど眠くならなかった。



これは日本の大学生活では考えられないことだ。

日本の大学において昼休みはせいぜい50分程度であり、学食が混んでいれば昼食をゆっくりとることもできないかもしれない。


しかし、このシステムをそのまま日本の大学に導入してもうまくいかないだろう。

なぜなら、日本の大学にはキャンパス内に寝られる場所がないからである。


中国の大学ならキャンパス内に自分の寝室があり、授業後もすぐ移動でき「通学」も非常に楽だ。

私が少々おじゃました中国の大学では、留学生寮から歩いて30秒で学院棟に到着するほど近い。

そのかわり、昼寝があるぶん朝が早く、8時から授業が始まるのだが、1時間も満員電車にゆられて通学するよりはるかにいい。



願わくばこの長い昼寝タイムを日本の学校や企業で導入してほしいのだが、大学が大幅に昼休みを延長し、大規模なベッドルームを設置しない限り不可能だろう。


せめて職場や学校の近くに昼寝ができるスペースがあったらいい。

お昼休みに心地よい眠りを提供する。そんなお店があれば毎日でも通うのだが。



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