中国人はお湯を愛する
中国人はお湯が大好きである。
逆に言うと、冷水を嫌がる。
中国人が日本の飲食店でに行った時にまず抵抗を示すのが、コップに氷たっぷりの冷水が出されることである。
水がタダで出されるなんて日本はなんて素晴らしい国だと思う人もおられるだろうが、そもそも中国では飲食店に飲み物を持ち込める。
中国の飲食店で水が出されるとすれば、それはだいたい常温か白湯である。
なぜこんなに冷水が嫌いなのか。
これはおそらく「中医」(中国の伝統的な医学)の考え方に基づくものであろう。
日本人も多少これの影響を受けて、お腹を冷やさないようにするべきとかの意識があるが、本場の中国ではこの比ではない。
身体を冷やせば体調が悪くなると考える。だから、徹底して身体を温める。
冬はこれでもかと厚着をし、体調が悪ければお湯を飲む。
そして、健康を保つために日頃から常温水や白湯をボトルに入れて携帯するのである。
大学の授業では、机の上に魔法瓶がずらりと並ぶ。
水分補給は大事という意識も徹底されているので、学生たちは絶えずこれを飲む。
中国人に対して、むやみにアイスクリームを勧めるのもよろしくない。
中国人の彼女(女朋友)ができても、冷たいものばかり勧めたら「私の身体が大事じゃないのか」と不満を持たれるかもしれない。
だからといって、風邪をひいたときに定型文のように「お湯を飲んで」「水を飲んで」とばかり言っていては
「直男」(女性の気持ちがわからない鈍感男)
と見なされて陰口を叩かれるだろう。
どこの世界でも、女性の心の機微に男が気をつけなければいけないのは一緒である。
それでも、中国人が冷たさに敏感なのは間違いない。
もし女朋友が寒そうにしていたら、「注意保暖」と言いながら自分のコートを肩にかけてあげるのがもっともよろしかろう。(たぶん)(効果は保証できません)
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