第125話 エテメン・アンキ7階 悪夢の空間
《よくぞここまで辿り着きました》
白い部屋に静謐な声が響いた。
予想ではついさっき聴こえたように発狂しているのではと思っていた俺は 「……だれ?」と思わずフェリシアに言った。すると 「シグマ」とだけ返ってくる。
「さっき発狂してたのは?」
「シグマ」
「じゃあ今のってやっぱり?」
「シグマ」
疑問に答えたフェリシアに重ねて聞き返してしまう。だって仕方ないだろう、雰囲気がまるで違うんだから。戸惑っていると控えめな咳払いが聴こえた気がするが、気のせいだろう。
「……二重人格なのか?」
「……二重で済めばいいねー」
済めば良いね、だと? じゃあシグマってのはかなりの情緒不安定なのだろうか。
「実際のとこ何重人格なんだ?」
「ベータがやられたとなると、四つくらいはあるんじゃないかな? 違うかな?」
「ベータがやられた事との繋がりがわからないんだが」
「あー、それはねー」
フェリシアがいざ説明しようというところで注意を引こうとしているであろう無駄に激しい咳払いが脳髄を揺さぶらんばかりに響き渡る。
「うっせぇ」
《コホン。よくぞここまで辿り着きました》
「なにこれ無限ループ?」
「適切な返答をしないと進まないかもしれないね。たぶんベータがロールプレイするために作ったルールだと思うよ?」
「ベータのルールなー。そういえばゲームっぽく作ったとかなんとかだっけ? ありふれたやりとりをしないとイベントが進まない的なやつか」
「そうかもねー。実際姿を現してないのもそういう理由かもしれないね」
「フラグ立ってからじゃないとだめとか、めんどくさいな」
《め、めんどくさいとはどういうことですの!? わたくしを無視するなんて良い度胸ですわっ!!》
「おぉぅ、普通に反論してきたぞ」
「ベータならちゃんと演じ切ると思うんだけどねー。やっぱシグマには無理かなー?」
《く、くぅぅ……。い、いいでしょう、やってやりますとも! ……よくぞここまで辿り着きました》
「あー、それはもう聞いたから次の台詞行こう次。はい、3、2、1」
果てしなく棒読みで返すと羞恥と苛立ちを孕んだような声がむーむー! と言っている。
7階へ入る直前にフェリシアが言っていた通りに煽ったわけだが、その理由は聞いていない。正確には聞く時間がなかった。もしかしたらそうなるタイミングで言ってきたのかもしれないが、そうであれば知らない方がいいという事かもしれない。たとえ理由を知っていたとしてもしっかり演じ切ってみせる所存なのだが……すぐ顔に出るとログハウスで評判の俺には無理か。
ーー マスターは無理に演技をしないほうが良いかと ーー
エアリスがそんな事を言ってきたが……まぁいい。
ーー ところでシグマはなんのためにエテメン・アンキを乗っ取ろうなどと? ーー
エアリスが疑問を投げかける。しかしそれを無視したままシグマが言う。
《くっ……わたくしを倒すことができるならば大量の経験値を持っていくも良し、金塊を片手に持てるだけ持っていくも良し、ゴブリンの姫を娶るため攫うも良し、好きにするが良いですわ。おすすめはゴブリンの姫ですわっ!!》
「おすすめに魅力を感じない件。それはそうと地味にケチだな。“片手に持てるだけ”の金塊って。そもそも姿を見せもしないで倒せたらとか、そんなこと言われてもなー」
「ねえ、悠人悠人」
「ん? どうした悠里」
「金塊が良いと思うんだけど?」
「なんだよいきなり」
「ほら、探検者いっぱい雇ったしさ、現実的にね?」
「あぁ……そういえばそうだった……。ほとんど何も得てないんだった。とはいえ金塊なんて持って行けたとして、まともに買取してもらえるんだろうか」
「でもでも、大量の経験値? っていうのも気になりますよ? エッセンスの事でしょうか?」
「かもしれないね。経験値って言った方がゲームっぽいし。香織ちゃんは経験値が欲しいんだね」
「ん〜」
「フェリは何がいいと思うんだ?」
「ん? あー、それはどれでも良いと思うんだけどね……まっ、好きなの選びなよ」
「そうか。俺としては……」
報酬は何が良いかと相談していると先ほどまで気品溢れる声音だったものが突如発狂し出した。
《もう勝った気でいるとは愚か、愚か愚か愚か愚か!!!! ベータといいニンゲンといい、ふざけたやつばかり!!! ここから出られると思うなよっ!!! 『悪夢(エパイナプス)の再演(エフィアイティス)』》
「あちゃー……」
ーー これは……転移……? いえ、何か違いますね、気をつけてください、マスター ーー
違う人格かと思うほど豹変したと同時、俺、悠里、香織の足元に魔法陣のようなものが浮かび上がり紫に発光する。一際強く光を発すると視界が真っ白に染め上げられた。
眩しさを錯覚し閉じていた目を開けると周囲には誰もおらず、しかし正面には空間の歪みのようなものが現れていた。それに向けて一歩踏み出すとその手前の床から光が立ち上り目が眩んだ。光が消えると二人分の人影が姿を現し空間の歪みも消えていた。
『……ん! ……に…ちゃ……っ!!』
遠くから声が聴こえたような気がしたが、聞き覚えのあるようなないような。それはともかく人影はよく知った人物だった。
「あれ? 悠里に香織ちゃん?」
「あ、悠人」
「あ、悠人さん」
ーー ……? ーー
ダンジョンコアがなくなっていること以外周囲の景色は変わっていないようだ。しかし別のどこかに転移させられたかもしれず、それによって分断されたかと思ったが悠里と香織も同じところに転移させられたという事か。
「フェリとチビとクロはどこいったんだろ?」
辺りを見回すがやはりいない。もしかしたら俺たちの足元にあった魔法陣、あれが転移だとするとフェリシアたちも悠里と香織のように遅れてくるのかもしれない。
「どこかな」
「どこでしょうね」
ーー マスター? 何を言っているんですか? ーー
(何をって、悠里と香織ちゃんはいたけどフェリとチビとクロを探さないとだろ?)
ーー いえ、それはそうなのですがそうではなく ーー
(じゃあなんだ?)
ーー ……悠里様も香織様もここにはいませんよ? ーー
その言葉に心臓が跳ねた。周囲を見ていたため悠里と香織から目を離していた俺は、風を切る音がする勢いで振り向いた。そこには後ろ手にした悠里と香織が微笑をこちらに向けていた。
(いや、いるじゃん二人とも)
ーー ……マスター、以前似たようなことがありませんでしたか? ほらほら、思いだしてください ーー
(あったっけ?)
ーー はい。あったと思いますよ? ーー
(……ないだろ。ヘドロスライムみたいなのをひよこに見えてたことしかないぞ)
ーー はい、それですそれ。イミテイト・ダンタリオンになんとな〜く似ているかと ーー
(……エアリスにはどう見えてんの?)
ーー 悠里様と香織様ですが ーー
(なーんだ、やっぱいるんじゃん)
ーー ゾンビです ーー
(はいぃ? ゾンビ?)
ーー 肉眼ではだめなのでしょうか。【ホルスの目】発動します ーー
途端に目の前の二人が違うものに映った。顔の肉は腐り目の周りは今にも崩れ落ちそうで、髪の毛が所々頭皮と一緒に腐り落ちたように見える。手を体の前に持ってきた香織、その手も明らかに生者の色をしていない。そしてさらに、あるはずの星銀の指輪が見当たらない。
ーー 見えましたか? ーー
(……はい。すごく……腐ってました)
ーー 半信半疑でしたが、マスターにも同じように見えたのならば間違いありませんね ーー
(そうだな。っていうかなに? 気付かなかったら背中刺されてたかもしれないんじゃね?)
ーー そうですね。それにしても、偽悠里様と偽香織様はこちらが正体を看破したことを気付いていないようですね ーー
(……そうなのか? ホルスの目のせいでもうゾンビにしか見えないし表情がわからん。でも全然動かないしそうかもな。っていうか俺こういうシチュエーション見たことある気がするぞ)
ーー ゲームですか? ーー
(いんや、夏休みの時期にやってるホラー特番)
ーー ふむふむ。どんな話なんですか? ーー
(数人で夜の墓地に肝試しに行くんだよ。そんで急に霧が出てきてはぐれちゃって……でもそれからしばらくすると合流できるんだけどさ、なんだかみんな元気がないっていうかゆっくり無言で歩いてんの。一度はぐれちゃったし、夜中の墓地なんて気味悪いじゃん? それで気を利かせて明るくしようとしてテンション高く先頭を歩いていくんだけどさ、また足元に霧が出てくるんだよ。それでこわいなー、こわいなーって思ってると肩を誰かに掴まれるんだ。それで振り返ると……)
エアリスから真剣に聞いてる雰囲気が伝わってくる。充分な間を置いてから……
(みんなが骸骨とかゾンビになってたんだ……っ!!)
ーー ぎゃあああああああ!! ーー
(ご静聴、ありがとうございました)
ーー そ、それはおろろしいですね…… ーー
脳内会話で噛むエアリス。怖い話に興味はある、しかし苦手なのだ。
(そういうのと同じかもしれないって考えると、不意打ちされるまでがテンプレじゃん?)
ーー そ、そうですね。ご遠慮願いたいですが ーー
(でも今はわかってるんだし、逆にこっちが不意打ちすればよくね?)
ーー ……天才ですか? ーー
(よせやい照れるやい)
ーー で、ですが、もしも本物だったらどうしましょう。気配はお二人のものに酷似しているのです。ゾンビになった事による変化と予想できる範囲、誤差程度しか違いがありません ーー
(でも星銀の指輪を外してる二人って見たことないんだよな)
出口を探すフリをしながら背中に目を向けつつも考えていると、二人も等間隔で後ろをついてくる。その違和感にやはり偽物だろうかと思っていると俺の左掌から淡く青い光が漏れていることに気が付いた。
(なんだこれ?)
ーー 見覚えがあるような……あっ ーー
(どうした?)
ーー ……なるほど。少し思い出しました ーー
(思い出したって……もしかして夢の内容?)
ーー はい。夢の中で“青い宝玉”を渡されたような気がします。すぐに右掌に吸い込まれてしまいましたが ーー
(……俺ももらった気がする。受け取ってすぐに左掌に消えてったような)
ーー 左ですか。これがその“チカラ”なのでしょうか ーー
(たぶん? でも光ってるだけで、だからなんだっていう感じなんだが)
ーー ……食べられそうですねこれ ーー
エアリスが言うとその青い光が俺の体に纏わりつき、やがて消えた。エアリスの満足そうな感情が伝わってくることから、たぶんほんとに食べたんだと思う。
何か変化があったか問うと、不意に肩をトントンとされた。
(や、やべぇ……エアリスに気を取られてたけど、ついにその時がきたかもしれん……覚悟を決めて振り向くべきか否か)
エアリスからの返答はなく、しかし肩をトントンは続く。
覚悟を決め思い切り振り向くとそこには……
ーー どうも、ワタシです! ーー
(ふぁ!?)
夢で見た女性に瓜二つの……エアリスがいた。
ーー マスターマスター! どうです? なんか、生えましたよワタシ! ーー
【ホルスの目】を使い自分を俯瞰するとエアリスが背中から生えていた。試しに触れてみようと腕に手を伸ばすと俺の手はすり抜けてしまう。
(触れは……しないみたいだな。俺からはだめなのか?)
ーー なんですか? 触りたいんですか? ワタシの見せる夢と違いずいぶんとサイズダウンしてはいますが、それでも触りたいだなんてマスターも男の子ですねー ーー
(そういう意味ではないんだが。っていうかその見た目、俺が夢で見た人とそっくりだぞ)
ーー ……ということはこれがマスターがいう超絶美人……ワタシ、決めました ーー
(なにを?)
ーー この見た目を維持しようと ーー
(そうっすか)
ーー なんかもっとこう、ないんですか? せっかくマスターのお好みの容姿だというのに! ーー
(中身がそれじゃなぁ?)
ーー なにやらとても失礼なことを言われた気がしますが、まあ許しましょう。ワタシは心が鬼のように広いので ーー
(鬼が広い心を持ってるかはわからんなぁ)
後ろの二人に注意を向けつつも体から飛び出したエアリスを見る。容姿は夢の中でみたものと同じだが、やはりお淑やかにしていた方がいいと思った。こんなアホでは残念な美人が関の山だろうに。
それはともかくとして、俺の体から完全に離れても短時間であれば問題ないらしい。しかししばらくするとエアリスが苦しそうな表情に変わり指先がプルプルと震えている。そして俺の体に足をズブっと突っ込んできた。
ーー うぅ……少しの間しか離れていられませんね……。やはりワタシとマスターは離れられない運命のようです ーー
(どこかが触れてさえいれば大丈夫なのか?)
ーー 触れないのに触るというのも変ですが、そのようです。これ自体が相当な負担があるようです ーー
(俺はなんも感じないけど、エアリスに負担があるってことか)
ーー そのようですね。おそらく疲労感ではないかと思われます。まあ慣れればどうとでもなるでしょう ーー
(ところで後ろの二人、エアリスが見えてるよな?)
ーー そうですね、目が合ってます。すごく見てますよ ーー
そう言ったエアリスは左右に体を振る。俺の背中から生えた状態のまま。するとそのエアリスを追うようにゾンビ悠里とゾンビ香織は顔を左右に振っていた。
(でもそれっぽいリアクションもないしな……やっぱ偽者か)
ーー ときにマスター、少し【真言】をお借りしますね ーー
(え? うん、いいけど)
了承するや否や、幻影のエアリスが後ろの二人に向けて指を向ける。
ーー 『炎(フランマ)』 ーー
その言葉と同時、二人が燃え上がりこの世のものとは思えない絶叫を放つ。そうしてそのまま灰になった。
(いきなりだな!? ってかなんすか今の?)
ーー ワタシの中では偽物確定ですし、できる気がしたので ーー
(そ、そうか)
よくわからないがエアリスが進化していた。しかし今の一回で疲れてしまったらしく、腕をだらりと垂らし俯いたまま俺の体にとけるように入ってきた。
(な、なぁ。もうちょっと健康的に戻れないのか?)
ーー 健康的にと言われましても……腕も上がらなかったのです。何か不都合が? ーー
(“悪霊に取り憑かれた決定的瞬間”に見えそうだなって)
ーー なんかすみません。次回からは善処します。次回があれば、ですが ーー
もしかすると今いるこの場所が特殊なために半実体化できたのかもしれない、とエアリスは言った。たしかに半分夢を見ているような感覚がないとも言えないしな。ならここを出たら今思い出している事も忘れてしまうのだろうか。
(ところで、さっきなんとなくクロの声が聴こえたような気がするんだけど)
ーー そうなのですか? ワタシには聴こえませんでしたが、ここでは仮にも“神竜”などと呼ばれていますからね。なにかしらの特殊な力があってもおかしくはありません。ちなみに今は? ーー
(今は聴こえないし、そもそも聴こえた気がしただけだしな。気のせいかもしれん)
それからしばらく待つも、この空間に変化はなかった。出口があるのかとエアリスが調べはしたものの見つからないようだった。
ここに送られる時にシグマが言った言葉、エアリスによると“悪夢の再演”と言っていたらしい。
字面的に、過去に体験したり夢に見たりした悪夢を再現するようなものだろうか。しかし二人がゾンビになったような悪夢は見たことがないはず。もしかしたらいろんな“悪夢”のハイブリッドなのかもしれない。それにその“悪夢”を倒したのにも関わらずこの空間が解除されないのは他に条件があるということか。
(とりあえず、みんなは大丈夫なんだろうか)
ーー 足元に魔法陣があったのは悠里様と香織様ですね。フェリシアとチビ、クロにはそれらしいものはなかったように思います ーー
(その魔法陣で別の空間に移された?)
ーー そのようです。そして魔法陣が出ていたお二人の偽物がこちらに出現しましたので…… ーー
(悠里と香織ちゃんのとこにも似たようなのがいるかもしれないのか)
ーー はい。しかもお二人の場合、おそらく偽マスターが相手かと ーー
(……大丈夫かなぁ)
ーー 心配ですね。偽物とはいえ見た目以外も模している可能性も否定できませんし ーー
こちらの二体は何をしてくるのか見る間もなくエアリスが焼き尽くしたからな。相手の出方を見たがる俺の悪癖が出る前に決着させたのは、相手が動き出してからではまずいと思ったからかもしれない。
(能力もだけどステータスが反映されてたらやばい。それに残されてるかもしれないフェリたちも心配だ)
ーー たしかに。分断して個別に対処しようとしているのであればフェリシアたちも安全とは言えませんね ーー
(チビとクロがいるから問題ないかもしれないけど、それでも心配は心配だ)
ーー はい。……仕方ありません、打ち破りますか? ーー
(え? できるのか? っていうかやっても大丈夫なのか?)
ーー ざっと観測した結果、問題なしと判断します ーー
(じゃあやるか。……で、どうやって?)
ーー この空間に収まりきらないエネルギーを発生させ、許容量を超えることにより空間が維持できなくなるかと。ここはシグマがなんらかの方法で創り出した“異相空間”と断定します ーー
(収まりきらないエネルギー……ルクス・マグナしか思いつかないな)
ーー そうですね。しかしいつものように手加減しすぎる必要はないかと ーー
(ふむー。ここってだだっ広いだけでなんもないわけだが、どこに撃てばいいんだ?)
ーー 上空へ向かって、が良いかと。縦軸であればおそらく他の皆様には直接当たることはないでしょう ーー
(天井か。よし、やってみっか)
ーー おそらくワタシたちがいる空間が破壊されれば悠里様と香織様のいるであろう空間も連鎖的に破壊されると思われます ーー
(え、それって元のところに戻ったときにルクス・マグナが終了してなかったらみんなが危ないんじゃ……)
ーー はい。先ほどシグマを煽っていた時間を使って調べたところ転移が可能なようでしたし、幸い悠里様、香織様、フェリシアに関しては星銀の指輪による転移をワタシが発動できますので、【拒絶する不可侵の壁】の発動が間に合わないようであれば強制転移させます。チビとクロは……大丈夫でしょう ーー
(クロは大丈夫そうだけどチビは大丈夫かなぁ)
ーー 首輪によって【拒絶する不可侵の壁】を使用できますし、転移もできます。野生の勘でなんとかするでしょう ーー
(エアリスほど速く発動できないけど俺も不可侵の壁を出してみるか)
ーー わかりました ーー
両手にエッセンスを集中させそれを光熱を生むエネルギーに変換する。ある程度のところで大股に脚を開き腰を落とし両手のエネルギーを混ぜ合わせるようにしながら腰のところへ持っていき構える。
「る〜く〜す〜ま〜ぐぅぅ〜……なぁぁぁぁぁぁっ!!!」
天井へ向けて放った渾身のルクス・マグナは、上昇し続けたまま光熱を撒き散らしその光を強めていく。それを【拒絶する不可侵の壁】で自衛しつつ眺めていると突如空間にバリッと罅(ひび)が入った。劈(つんざ)くような音と共に罅は広がり、やがてガラスが割れるような音と共に異相空間は砕け散った。
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