第3話 2日目

 2日目が始まった。今日も一日元気よく頑張って、といきたいところだったが、現状で俺がやれることは昨日のうちにやってしまったので、とうとうこれからただただ考えるだけの生活が始まったのだ…と、早くも気分が沈み始めた。自然に囲まれたナチュラルライフ、といえば聞こえがいいが、いかんせん自由度が無さすぎる。それにここはとても豊かとは言いがたい。自然音とともにリズムを刻んで歌でもハミングしてみたが、素朴ではあるけれど、大した芸術性も感じ取れず、忙しい時、落ち着かない時に和ませてくれるはずの環境音はそれらから解放された以上、ただわずわらしいだけに成り下がっていた。それからは思い出せる限りの気に入っていたフレーズをリフレインし、これから何を考えていこう…とぼんやりしているところでいつの間にやら雨が地面を叩いていて、思考の流れを邪魔し始め、そもそも俺は騒がしいところでの考え事がニガテだったんだよな、と前途多難ぶりをひとりごちているうちに意識を閉じていた。2日目終わり。

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