第29話新しいバイト メイドカフェ

 夏の郊外演習を終え、最初の登校日を迎えた。


 チームの皆と挨拶する。


 ティナがツインテールを揺らして嬉々とした顔でこちらにやってくる。



「ユーリアおはよう。イーサクの件聞いたよ。任せといてよ。ってか、もう広めたけど……イーサク少しは分かってくれるといいね」



 アネットからすでに聞いたらしい。2日経った今は感情が少し落ち着いたのか。ティナもアネットもイーサクを案じる心があるようである。

 ホームルーム開始の予鈴がなりルーカス先生がやってくる。

 疲労の色が濃い。恐らく報告書を作成するのに大変だったのであらう。今回はお手伝いはしていない。

 ティナが小声で話しかけてくる。



「そうそう、今日はバイトの面接大丈夫?平日なら面接できるし店長が会いたいって何回もうるさいんだよね」



 バイトの面接が確定した。事前にもっとどんな職場か聞いておけばよかった。

 面接に下調べは重要である。

 今日はティナと被っている授業がないのだ。ぶっつけ本番の面接になりそうだ。






 ホームルームが終わり、魔術具作成の授業だ。



「夏の郊外演習お疲れ様でした。皆さん自分の作った武器を使っているところを見てどう感じましたか? 術者の能力を最大限に引き出せましたか?

 学ぶことも多かったのではないかと思います」



 失敗はあった。けど今度は失敗しない。もっと術者をよく見て、使う相手も考えて作成する。


 トピアスは話を続ける。



「これからしばらくの間は日用品の作成です。というのも今度は文化祭が秋に行われますね。文化祭の際に授業で作成した魔術具を展示していただきます。一つでもいいですし、複数でも構いません。高学年になると優れた武器を展示したり色々になりますが、1年生は統一して日用品を作っていきましょう」



 何が注目を受けるかも重要だが、私がこの授業時間です作るものは決まっている。すでに頭の中に設計図もできている。



「皆さん、以前とは違い、色々なところに目を光らせてどんな魔術具が欲しいか日頃から考えるようになりましたよね?

今、作成されている魔術具は古くから王族や貴族の生活に必要とされてきたものがほとんどです。

もともとは灯や冷氷機、温水機などは上位階級の方が強く願ったものをカタチにしています。

 どうしても我々は今まで通りの生活水準で満足してしまいますからね。

 当然改良案でも構いませんので、まずは素案から描いてみましょう。では、はじめてください」



 他の子は前よりも早く素案を描き始めた。前よりも真剣に魔術具の事を考えているようだ。


 しかし、ユーリアは怒涛の勢いで設計図まで書き上げてしまった。



「トピアス先生、できました。改善点があれば教えて下さい」



 ユーリアは何を作りたいのか説明して、トピアスに改善してもらって、今日の午後の時間で早速作成したのであった。


 そうして、今日1日の授業を受け、バイト面接を受けにティナと向かうのであった。





「うちの店長変わってるけど、気にしないでね!」



 ティナの一言が気になるが、それは行ってみてのお楽しみにというやつらしい。

 職員用の通路を案内され、店内へと入った。



「店長、友達連れてきましたー!」


「お、おう。どれどれ!」



 奥の部屋から出てきたのは20代前半のフットワークの軽そうな男の人が出てきた。



「今から確保しておく分には良さそうだ。こっちに来てくれ、ティナは準備してろ!」


「はい」



 ユーリアとティナは一緒に返事をする。

「ユーリア頑張ってね」とティナに小さい声で励まされた。



「ユーリアといったか? とりあえずこの店は客に茶や食べ物をだす店だ。13歳という歳ではまだホールには出せないので、中で皿洗ったり、飯や飲み物を作ってもらう。

 基本ティナとは別の日の出勤になる。

 制服はホールの子と同じ服になる。

 接客はないが、女ばかりの職場だ。コミュニケーションは最低限必要になってくるぞ」



 店長以外男がいない職場らしい。表に立って接客をしなくてはいいのは楽なので、お料理作りも良いかもしれない。



「当分は俺が一緒にやり方を教えるから1週間で形にしろ! できるか?」


「料理ならだいたいはできる。教えてもらえれば大丈夫」


「勤務時間は18時までだ。夕食時間の仕込みも行なってもらうからよろしく頼む。あとは土日も11時から18時までの間で3時間ほど入ってもらう事があるからよろしく頼む」



 もう、採用は決まっているようだ。明日から1週間はバイトがみっちり入ることになりそうだ。



「これが、制服だ。選べ」



 並べられた制服は全てメイド服だ。なんとなく分かってきた。ここメイドカフェだ。

 うん。間違いないと思う。

 ユーリアは一番シンプルなひざ下寸の黒のデザインを手に取る。消去法だ。フリフリがつきすぎると動き辛い。



「なんだ。シンプルなの選ぶんだな。ティナはこっちの選んでたぞ……」



 ミニ丈のふわふわがついた可愛らしいデザインだ。



「私似合わない。こっち動きやすい」



 ユーリアは手にとっていたメイド服を奪われないように握りしめた。

 店長はふわふわを勧める気だ。



「分かった、ホールに出るわけでもないし、それで良いか。試着して今日は軽く仕事場見学して後は飯でも食って言ってくれ」



 店長はユーリアを従業員のロッカー兼休憩室へと連れてきてくれる。



「着替えたら、こっちにまた来てくれ。ノックして入れよ」



 言われた通りノックして中に入る。

 部屋の中は少し狭目だがピンク色の花柄の壁紙に白色の家具で統一してあり可愛らしい部屋だ。

 16時半から開店のため結構人がいるようだ。

 ティナが可愛いメイド服を来てこちらにやってくる。



「ユーリア大丈夫だったー?」


「明日から仕事」


「そっかーよかった」


「ティナと別の日勤務になる事多い」


「そうだよね。少し寂しいけど、そうなるとは思ってたんだ……。じゃあ、今日いる先輩方紹介するね」



 ティナは順番に紹介してくれる。まずはホール組の3人だ。


 オルガと言われる女性は青い髪で肩のあたりの長さの6年生でみんなのまとめ役だそうだ。


 ダニエラは5年生で紫色の髪にスレンダーな体型。一見気が強そうだが、本当は優しい人らしい。


 ベティーナは4年生。少し天然が入っているが、意外と情報通でおっとりしているようで鋭い指摘があるらしい。


 最後に同じくキッチンで働くソルという少女だ。2年生でまだホールには出ていないので、一緒に仕事をするようになるらしい。ティナにも優しく丁寧に仕事を教えてくれる親切な人らしい。



「先輩たち明日からキッチンで働く私の友達のユーリアです。口数は少ないけど、綺麗で可愛い1番のお友達です。今年の首席の新入生でもあります。よろしくお願いします」


「ユーリア。よろしく。分からない事いっぱいある。けど頑張る!」



 ティナとユーリアで深々と頭を下げた。

 ダニエラがすかさず口を開く。



「可愛くてきれい? 地味じゃないの。とりあえずよろしく」


「ダニエラ、その言葉はあんまりよくないわ。よろしくね。私はオルガ。一応ここのバイトの最年長よ。可愛らしいわね。身長は私と同じぐらいなのにこんなに腕が細いなんて羨ましいわ」



 ダニエラをオルガが嗜める。ユーリアを細いと言っているが豊満な体をしていて羨ましいのはこちらである。



「私はソル。キッチンで同じく仕事をするわ。分からないことがあったらいつでも聞いてね。よろしくね」



 ソルは本当に優しそうな雰囲気だ。握手する。



「あなたがユーリアちゃん……。はじめましてベティーナよ。イーヴァルとシェルトから話は聞いているわ。ユウちゃんとお呼びしたらマズイかしら?」



 ベティーナはおっとりとした口調で言うが、内容はハラハラさせられる。ユウという呼び名はまだ組織の事もあるが、たった1日しか解禁していない本当の姿の時にティナに呼んでもらった名前なのだ。



「先輩、今はまだユーリアで許して!ね!ベティーナさんは生徒会にも所属してるの!だから、そっちが情報源なんだと思うんだけど……」


「ベティーナ先輩。ユウだめ。寿命縮まる」



 ベティーナはクスクス笑う。どうやら茶化していたらしい。



「あら、残念。人を褒めないシェルトが綺麗だと言ったから会えるのを楽しみにしてたのよ」


「シェルトが綺麗だって! この地味な子のどこが綺麗なのよ!」


「ティナは色々あるから、今はこの格好なんですよ。ダニエラ先輩」



 ダニエラが噛み付いてくる。どうやらシェルトファンがここにいるらしい。ティナが仲裁に入ってくれた。



「そんな事言ってもさほど変わらないでしょ。シェルトが気にいるなんて嘘も方便よ」


「あら、ダニエラ先輩。では、まだ開店まで時間があるし本当の姿見てみたいと思いませんか? ねえ、ユーリア今日だけ私にも見せて。お願いよ。シェルトが嘘つきみたいで少し嫌なの」



 困った顔のメイド美人がユーリアの手を取って見つめる。可愛いものや綺麗なものには弱いのだ。

ティナに視線を向けるが、首を横に振ってしまった。ベティーナには逆らえないという事らしい。

 ユーリアは溜息を少しつくと了承する。



「分かった。口外はしないで……」



 メイド服姿の本当の姿を実は見たかったティナは、ウキウキしながらメイド服を選んでいる。

 今選んだメイド服ではないものを着せられるらしい。


 2つある個室のパウダールームに入りティナが選んだ黒色が多めのメイド服を着て、ベティーナに差し出された化粧品で軽く化粧をする。

ウィッグを外した髪をハーフアップにしてティナに借りたゴムやピンで形を作る。

 伊達眼鏡も外す。


 パウダールームを出ると腕を組んで待ち構えていたダニエラが一番驚いた表情でこちらを見ている。







「あら、可愛いじゃない。全然13歳に見えないわね。これ本物?」



 豊満なものをお持ちのオルガに触られる。



「学園では不要な諍いを生むと保護者に言われて色々隠しているらしいですよ。本物なのは郊外演習の時に確認済みです」



 ティナが顔を少しムスッとさせながらも説明してくれた。

 ベティーナは「まあ」と小首を傾げ、手で口元を隠しながらおっとり微笑む。



「確かにシェルトに綺麗と言われただけあって、素晴らしいですわ。1年生でこの仕上がりですと、目立ってしまいますものね……」



 ダニエラがきっとベティーナを見る。



「ふん、確かに綺麗だけどシェルトが女性の容姿を褒める事なんてないわ。全然女性に興味が無いんだから!」



 そういうと、仕事の準備をすると休憩室から出て行ってしまった。



「ふふ。ユーリアちゃんの本当の姿が見れたし、あまりゆっくり出来なくなってきたわね。こちらの姿は口外しないわ。皆仕事の準備に入るわよ」



 オルガの一言でティナ以外の3人が休憩室から出た。ティナはこちらを見て抱きついてくる。



「ユーリアやっぱり似合ってる! ユーリアの姿見た時にこれ絶対着せたかったの! 私の夢叶った!

 ユーリアこの服可愛いでしょ?」



 ティナは興奮気味でこちらに抱きついてくる。フワフワのツインテールが揺れる。

 頭を撫でてやりながら思う。もっとフワフワになるように髪型をアレンジしたい!と。



「可愛い。ありがとう。ティナ髪の毛いじりたい」


「ん?いいよ」



 キョトンとした顔で見つめてくるティナを椅子に座らせて早く今日作成した魔術具を展開する。

 今日作ったのは、カールアイロンだ。ストレートも一緒にしたかったが、別々の方が形状を固定しやすかったので、カールとストレート一緒になったものは諦めたのだ。


 ティナの髪をくるくるに巻き軽く化粧もしてあげる。鏡を見たティナは大喜びだ。



「このフワフワ感可愛い! お化粧もありがとねユーリア。この魔術具すごいね。これでフワフワにしたんでしょ?」


「うん。追々ストレート用も作るつもり。形状が変わるだけだから……」


「ユーリアの発明ってすごい。女子力上げられるやつもっと作ってー!」


「ほしいものできたら教えて! イメージでいい。そしたら、作る」



 ティナはユーリアの手を握り上機嫌で「うん。」と言った。

 そのままキッチンへ二人で向かう。


 時間ギリギリになったので店長は部屋にはいなかったのだ。恐らくキッチンの仕込みの具合を確認しているとの事だった。



「遅くなりましたー! 店長ありがとうございました」


「ティナ遅いぞ! って、なんだその髪?そして誰だ?」



 店長は驚く。ティナの髪もそうだが、ユーリアの容姿が変わってしまったので分かっていないようだ。



「この髪はユーリアの開発した魔術具で巻いてもらったんです! そして、ユーリアですよ! ユーリア! 普段はこの格好タブーらしいんですけど……ベティーナ先輩にお願いされて断りづらくて……生徒会の方から情報が回っていたらしいです」


「ユ、ユーリア!? ……なぜ美しさを隠すのだ。女は美してなんぼだろ。その方が断然いいじゃないか」



 店長はそういうと、ユーリアに近づき髪に触れた。



「諍いが起こるから保護者に止められているそうです。こんなに可愛いのと鈍感さで被害者がこれ以上増えるのはマズイです。地味目なユーリアでさえ、関わった男子は絡め取られていくのにこの容姿は危険すぎます!」


「鈍感? そうなのか。成績は優秀だと聞いたが無口そうだしな。あまりコミュニケーションが取れないタイプか……オルガ!」



 店長は顎に手を置き何かを考え、オルガを呼ぶ。



「はい、なんでしょうか?」


「ユーリアをお前につける。ユーリア、オルガが出勤の時にはオルガからホールについて学べ。平日の週に一度くらいはホールに着くようシフトを組もう」


「店長。彼女はまだ1年生なのですよ。人前に立っての仕事は難しいのでは?」



 店長のいきなりの発言に突然のことに驚いていると、オルガが助け舟を出してくれた。しかし、ベティーナが、こちらに歩み寄って来た。



「オルガ先輩。ユーリアなら大丈夫ではないかと思います。すでに治療院でも夜勤でバイトをしていますし、12歳以上は労働をする事ができるのは法で認められております。

客の前に出すかどうかは年齢というよりも幼くてはお客様に対応できないからという理由で、各店によってルール作りがされているだけですわ。

 ここの場合人前で片言でもお話する子がいてもお客様には新しいと受け入れてもらえるのではないかしら。

何せこの見た目ですから大人びて見えますし、客から変に言いがかりをつけられる事もないでしょう」



 ベティーナの情報網は恐ろしい。すでに情報をいろいろと調べられているらしい。

 店長がニヤニヤとしている。



「オルガ、そういう事だ。明日から頼むな。

 ユーリア、お前優秀なんだろう。今この店は人手不足だ、ホールとキッチン両方覚えてもらう。

 今日はとりあえずキッチンだ」



 ユーリアのホール入りが決定してしまった。

 ダニエラだけは気に入らないようだが、他の皆はベティーナの勢いにのまれたのか、認めてくれているようだ。



「店長1つだけ。私この姿見せられない。髪色は変える」


「そうですわね。店長、髪色と名前は変えたほうが店長の身のためですわよ」



 ベティーナが名前も変えることを後押ししてくれた。やはり闇組織の事を知っているらしい。

 ならばホールにこの姿で出る事を止めて欲しかった物だが……。



「分かった。ベティーナが言うことには従おう。何か裏があるからな……ま、いいとりあえず雇用後はそんな感じで働いてくれ。さあ、仕込みだけさっさとやっちまうぞ!」



 今日のユーリアは基本見学だ。

 軽く店内を開店間際に見せてもらい、その後キッチンの仕込みの仕方をメモを取りながら覚えていく。

 開店後は店全体を見回す。


 可愛いメイドさんはいるが、完璧にカフェという感じだ。少し可愛い子とお話ができる感じで、男性客がほとんどだった。内装も休憩室とは違い普通のシンプルな作りのカフェだ。


 一部オープンキッチンなのでメイドさんが作っている姿も少し見えるらしい。

 商品の提供口は完璧にオープンなので、全くキッチン担当だからといって気をぬく事は出来なそうだ。


 ある程度の見学を終えると、店長に部屋に呼ばれ、今日見学した内容の感想を聞かれる。





「ユーリア、一応可愛い子が食事を提供してくれるカフェとしてここは売り込んでいる。お前の目から見てここはどうだ。入ってみたい店か?」



 ユーリアは、んーと首を掲げ、どう回答するか悩む。自分はここの客層ではないため特に入りたいとは思わないだろう。ストレートにここは言った方がいいだろう。



「私は客層違う。たぶん入らない」


「そうか……。そうだよな。女子も来るような店にするにはどうしたらいいと思う?」



 店長が言うには簡潔に言うと開店して2年目だがどうにも業績が伸び悩んでいるらしい。

 まだ、ここを深く知らない私に意見が欲しいらしい。バイト今日決まったばかりなのだけれども……。



「店長ここには女子も来て欲しいの?」



 店長は少し悩んでいるが、悩むのを放棄した、あまり思考するタイプには見えなかったので、やはり思いつきで物事を始めるタイプにはなのだろう。



「俺は可愛い女の子と一緒にまず仕事をしたかった……そして、可愛い制服を売りに女の子を雇ったらそれに群がってくるのは野郎ばかりだ……もう、もっさい男ばかり見たくない。2年だ……。店員は可愛いが客も可愛い方がいい」


「アドバイス欲しい?」



 ユーリアはきつい事を告げようと思うので、一応確認すると店長は「ああ」と神妙な面持ちでこちらを見る。

 話してる内容はいかに可愛い子を集めるかという野望なのだが……。



「店長。まずは店員。可愛くしたいなら今のままが一番いい。逆にお客さん女の子がいいなら、手がないでもない。というか店員イケメンか男装させればいい。ただ、ここに雇用された時可愛い服狙いの子も多い。辞める子いる。2号店として可愛いお客さん集める。イケメンいっぱいの店作る。それでいい」


「二号店を作る金がない。男装では毎日せっかく可愛いメイドが見れてたというのに……」



 店長は首を垂れる。ユーリアもため息をつきたかったが、つけない。



「店長提案。イベントする。1日限定。男装カフェ。可愛いスイーツや飲み物。食べ物作る。話題になるし。内装もただのカフェ。少しだけ飾る。

 女の子くるはず。店員にも宣伝してもらうチラシ作る。当日少し安くなる券付きで……。

 店の前で客引きも一人つくる。

 可愛いくて美味しいスイーツがあれば大抵の女子くる。

 常連向けに男向けイベントもする。メイドに耳つけるか全く違う衣装。

 店にチラシ置いておく。

 後、さっき見てて思った。追々でいい指名制もつくる。プラス料金で必ず一人5分くらいお話ができる。女の子に少し入った人数分給料プラスする。

 女の子同士可愛さ磨く、接客にも力入る。お客さんも話せるの嬉しい。

 一応、適当に提案。本来は客層絞ってもっと的を得た形でイベントした方がいい」



 ユーリアは熱弁する。マーケティングについてはいろいろと昔の知識があるのだ。



「とりあえず、全部やってみよう! 面白そうじゃないか。商品づくりと店のアレンジが……」



 悩み出す店長にアドバイスをする。



「女の子のイベントはメイドに聞く。女の子のことは女の子に聞くの一番」


「お、おう」



 思考を放棄した店長によって後日開店前に女子たちが集まってイベントの概要が決められていくのであった。文化祭前の1つのイベントとして楽しみである。

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