おかえりとただいま
「おぉ…おぉ…立派な教会ですね」
観光を終えて、都市アマニティ中央区画にあるという教会に到着。
その教会は大きくも小さくもない例えを出すならレストランの中型店舗くらいだと思う。
デザインは多分ホワイトチャペルを思い浮かべてくれ。
そして、教会の右み隣にはL字?型のアットホームな大きな建物がある。
「アナさん、隣の建物が施設ですか?」
「そうです」
て、ことはあそこがミコちゃんが住んでるところか。
お!反対側は庭か?結構広いぞ。
あのスペース今日だけでも、借りれるか後で聞いてみるか。
アナさんの後に続いて、教会の敷地に入り、数十秒程で施設の扉前に着いた。
その直後、アナさんは振り返ると、ミコちゃんに「おかえりなさい」と笑顔で言い、ミコちゃんは「…た、ただいま、なの」とアナさんをチラチラ見ながら返した。
良かった、良かった。
これで俺の役割も終わりだな。とりあえず、あの庭を使って良いかを聞いてキャンプだ。
で、明日はギルドに行って買い取り金貰ったら、食料買ったら出ることにしよう。
何故かって?俺がこの異世界に転生したのはキャンプするためだぞ。
キャンプを様々な場所でしたいからに決まってるじゃないか。
「…ミ…さん、ミノルさん?」
「あ、はい」
「お礼をしたいので、施設に上がっていってください」
お礼…そうか、それなら。
「アナさん、お礼でしたら、あちらの庭を今日の残りの時間、少し使わせてもらえませんか?」
「え、ええ、それは全然構いませんが…その」
その、と言ってアナさんは困ったような表情で視線と共に顔を下に落とす。
「ミノル…こない…の」
視線を落とすとミコちゃんが寂しそうな表情で俺を見つめている。
凄まじい破壊力。これでは離れられない。
俺はミコちゃんの寂しそうな表情に負け、安心してもらえるよう頭を撫でながら言った。
決して頭を撫でれば全て万事解決とか思ってるわけではない。頭を撫でると目をギュッと瞑って嬉しそうな顔をしてくれるから抗えないだけだ。
「勿論来るぞ、俺ももっとミコちゃんいたいからな」
「あたしも……いたい…ミノルと…う〜〜ん」
言葉が出なくて一生懸命搾り出そうとして頑張ってる姿、可愛い。
本当にこの短い間で謎にも随分なつかれてしまったもんだ。
「ありがとうな、ミコちゃん。一緒にいたいの凄い伝わったよ」
「ミノルとしゅごく、いたい」
俺は癒されながらミコちゃんを抱き抱えて、アナさんの後に施設にお邪魔することになった。
◇◇◇
施設に入った玄関の内装はシンプルだが、施設の子ども達が怪我をしないような造りになっているのが多少わかった。
一つ上げるすると、靴収納棚の角を丸めるだな。
因みに五メートル先の突き当たりに階段がある。
「シルさん、戻りました」
暫くして、一人のアナさんと同じ修道服を着た白髪混じりのシスターが突き当たり角から現れた。
すると、シルさんと呼ばれたおばあさんのシスターが途中、少し視線をずらして俺の方へと向くと驚いた表情を向けた。
でも、それはお客が来て、おや?と思ったんじゃなく、俺が抱き抱えてるミコちゃんを見て驚いての事だった。
アナさんも門のところで同じような表情をしていた気がする。
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