ギルドに買い取りしに来たはずが その2
アナさんをカナリィさんに任せて俺はミコちゃんを抱え、アメルさんに同行してもらい受付に向かってもうすぐの所でアメルさんが俺を呼び止めた。
「ありがとなミノルその子を保護してくれて」
「いや、たまたま」
「たまたまでも、だ。実はな行方知れずと知ったのは今しがたなんだ」
どういうことかと思い聞いてみたところ、アメルさんは家の改築依頼でこの都市とは別の町に1ヶ月程出張に行っていたらしい。
そして、朝方帰って来て依頼の報告を終えた後アナさんと付き合いの良いアメルさんは教会の施設で保護している子、つまりミコちゃんを3日前から探していることを受付の人から聞いたらしい。
カナリィさんも一週間前から依頼で外に出ていたらしい。
成る程だからカナリィさんは悲しげな表情をしていたのか。
力になれなかったことが悔しかったんだろう。
「ふぅ…よし!しんみりした話は終いだ。買い取りに行くぞ」
切り替えが早い。とはいえアメルも悔しかったんだろうな。
◇◇◇
受付についた。やっと買い取りができる。今日はキャンプ出来て夕方からか。はぁ。
「ようこそギルド『ディバティ』アマニティー支部へ。ご用件をお伺いします」
受付着くと対応してくれたのはショートの茶髪で丸眼鏡のこれまた美人受付嬢さんだった。丁寧に笑顔を崩さないが迫力がある。出来るなこの人。
お、良くみたら耳が尖ってる。
えっと……そうだエルフだ!
「あの…ご用件は?」
「ああ、すいません。買い取りをお願いしたいのですが」
「買い取りですね。それで買い取り物はどちらに」
「実は大きさが大きさで中に入れられなくて今壁の外なんです」
「……成る程。分かりました。鑑定係を向かわせますね。買い取り物は何でしょうか?」
言わないといかないよな。厄介な魔物で倒すのは困難だったやつを持ってきたんだ。
まあ避けては通れないし、元から覚悟の上だ。
「物はブルータルイーグルです」
「・・・・ええええええええええ!!」(受付周辺一同)
そして、今度は俺が注目の的となり、武器は?、方法は?とブルグルの倒し方やら何処の出身か、その服は?など俺の事を一斉に聞き始めた。
何故こうもキャンプが出来ないんだ。
はぁ、ブルータルイーグルやっぱり持ってくるんじゃなかった。
「ミノル~」
ぶちっ!
「おい…」
「おい!てめえら何小さな子怯えさせてんだ、炉で溶かすぞ!」
「す、すいません」
アメルさんの迫力ある言葉で迫ってきた人達は一斉に静かになって何処かに行ってしまった。
俺に対応してくれている受付嬢さんも二度目の為か顔が笑っていて笑っていない。
「ありがとうアメルさん。言ってなかったら俺が言ってた」
「言ったろ絡んできたら…
アメルさんはギルドの二階に大人数を連れて奥へ消えていった。
どうなったか俺も知らないから想像に任せよう。
「ミコちゃん驚いたな」
「うちの者が迷惑をお掛けてしまして申し訳ありません。ごめんね」
「…だい、じょうぶ、なの」
浮かない顔だけど早くでるためにもミコちゃんを信じるしかないか。
………うん
「というわけです。それで買い取り手早くつ来ますよね」
「そうですね。ブルータルイーグルですから」
「それで、買い取り手が着いたら商談は明日でも構いませんか?」
俺はミコちゃんに視線を落として理由を伝える。
意図を理解した受付嬢さんは明日伺うようにと快く笑顔で了承してくれた。
ふぅやっとミコちゃんを教会に帰せる。
そして、俺はキャンプができる。
さてどこでするか。
サイトなどない。せっかくだし街でキャンプっていうのも良いかもな。街の景色を眺めながらキャンプか。
教会庭あるかな。アナさんに聞いてみるか。
飯もどうするか。
時間も遅くなるだろうし、星でも眺めるか。
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