第3話
家に帰るとジロはなんかシリアスタッチになっていた。
壁を背中に、やぶにらみしてる。
ふと、立ちあがってえさのところまでゆっくりと歩いていこうとしたので、背中をさすってやろうとしたら急に走り出した。
「俺の背後に立つニャ。」
つめが伸びてるのかな?と思って前足をつかもうとしたら、急に走り出した。
「相手に自分の手を預けるようなことはしないニャ。」
ひょっとして、と思ってジロのベッドを覗くと、『ゴルゴ13』が、置いてあった。
おまえまた漫画の影響うけてんのか?
「まずあんたの名前を教えてもらおう。」
…こないだも、『あしたのジョー』読んでからしばらくパンチの練習してたよな。
「おれが、今まで生き長らえてきたのは依頼人からの一方的な依頼を断ってきたからだニャ。」
…その前は『マトリックス』観て後ろに反り返ってたよな。できることとできないことがあんだろ、猫背なんだから。誰が見てもあれは背中掻いてるようにしか見えなかったぞ?
「なんども味わえる女は、そうはいない…ニャ。」
何言ってんだかわかんないよ。
「俺はこれからニヒルに生きていくニャ。」
あっそう。
「アヒルじゃないニャ。」
くだらないよ。
「ネコとアヒルはゼンゼン違うニャ!」
わかってるよ!そんなことは。
「アヒルは羽もあるしニャ。」
しつこいよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます