第41話 安全性

 昔若いころバイクに乗っていた人が、おっさん(おばさんも?)になって再びバイクに乗る人のことは、リターンライダーと言うようです。


 そういう定義なら、僕もリターンライダーを目指しているわけですが、やっぱり怖いのは怪我ですね。多くの人は家族を持ち子供も独立し、時間的金銭的に余裕が出来てのリターンライダーでしょうから、家族に対する責任はかなり軽くなってきてるのかと。しかし、社会的にはどうでしょう?仕事の責任も重くなってきてる人も多いのでは無いでしょうか?

 そうなると怖いのが、バイクによる怪我で仕事に支障がでるということ。これが事故では無くちょっと転んだとしても、もう若くは無いので何らかの怪我をする可能性がとても高いです。


 しかし昔と違い、現代のバイクも装備も安全性については雲泥の差。残り装備の2点のうち、ジャケットもプロテクターが当たり前の時代です。

 バイクの死亡事故のうち、その損傷個所は頭部と胸部で約75%となっているようです。まぁ頭部はヘルメットが良いものなら、これ以上できませんが、問題は胸部のプロテクトです。

 一般的なライディングジャケットでは、肘と肩のプロテクターが標準で装備されているものが多いようです。ですが、肝心の胸部はプロテクターが入れれるようになっているもののオプションだったりするのです。

 探せば背中のプロテクター(いわゆる脊髄パッド)が標準のものも有ったりするのですが、意外と胸部プロテクターが標準の物は少なかったりします。


 そんな訳で、ジャケット探しとしては胸部プロテクターが装備出来るものをメインに探してるのですが、当たり前ですがプロテクターが厚みがあります。ジャケットの中に厚みのあるものを背中と胸に仕込むという事は、当たり前ですがある程度身ごろに余裕が無ければなりません。

 そこで僕の場合、ひとつ問題が発生します。それは、僕の脅威は平均的な数値よりかなり大きいこと(汗)。着丈や袖丈が合っていても、大体胸囲で着れないことが多いんですよねぇ。

 だから数少ないライディングジャケット類の品ぞろえがある専門店に行っても、僕のサイズに合うものが殆どないのが現状。

 お店に行く前に、一応メーカーのサイトでサイズチャートを確認し、実際に合うであろうサイズを見つけて(別デザインでも)着てみると・・・う~ん、生身で胸囲がパンパンです。

 とはいえ、それ以上のサイズが置いてないので、実際僕はどのサイズが合うのかが分からずじまい。概ね、ドイツやオランダなどのメーカーは、ほぼ日本の表記(LとかXLとか)と同じようなサイズで行けそうですが、僕の買ったデニムでもご存知、お洒落代表のイタリアとか、なぜかアメリカのメーカーでも、表記通りのものを着るとキッツイんですよ(汗)。

 かといって、ライディングウェアは中々お高いので、イチかバチか賭けでネットでは買えず・・・どうしかものかと、有名なイタリアのメーカーのサイトを見てみると、何と札幌に店舗があるでは無いですか!


 量販店で失望した僕は、そのまま専門店へ直行!


 きっと専門店なら、ある程度サイズも揃っているだろうし、仮になくても僕のサイズから丁度良いものを選んでくれるに違いない!期待を胸に店舗到着。

 えっとね・・・さすがイタリアメーカーの専門店、店内もレイアウトもお洒落で量販店とは全く違う入り難さが(汗)。あっ、決してお店の人が、お客を判断してるとかではなく、慣れてない僕がそう感じてるだけですから(笑)。

 でもせっかく来たんだから、意を決して店舗に入ると


『いらっしゃいませ~』


 素敵な女性の店員さんに声を掛けられます。というか、この店舗、どうやら女性スタッフしか居ない様です(滝汗)。


『す、すいません、ライディングジャケットを探してるんですが、僕の身体に合うサイズってありますか?』

『では、こちらを着てみてください』


 どうやら、この店舗においてある商品の中で、一番大きなサイズらしいです。


『どうでしょうか?』

『ちょうどいい感じですね』

『こちらの商品は肩と肘にプロテクターが入っています』

『あの、胸とか背中のプロテクターは入りますか?』

『はい、当社のプロテクターが装備できますが・・・胸と背中に入れるとなると、もう1サイズ上の商品でなければ、かなりきつくなてしまいますね』

『そうですか』


 このメーカーの商品は、バイクを運転している状態で体に馴染むデザインを採用しているらしく、姿見で見てみるとバブルの時代の肩パット入りスーツ並みに厳つい感じになっちゃってます(笑)

 せっかく専門店に来たのだからと、思いの丈をぶつけてみました。


『あの、なんていうか、僕は面倒くさがりで、出来れば雨の日も対応できる商品があれば良いのですが』(要は雨具を着るのが面倒くさいだけですが 笑)

『でしたら、こちらの商品など如何でしょう?』


 勧められた商品は、雨は通さないけど湿気は放出できるという、高機能な素材を使ってるらしく、まぁ・・・ちょっと値段は見ないことにしました(背)


『こちらですと、雨は通しませんので雨具なしでも問題無いですよ。あっ、そういえば、お客様にお勧めの商品がありました』


 勧められた商品は、いま着た雨を通さない高機能な素材を使ったものと、ほぼ同じデザインですが、値段を見るとちょっと桁が違ってました・・・(汗)


『あ、あの、これは・・・』

『こちらの商品は、高機能素材を使った先ほどのデザインの中に、エアバッグが標準で装備されてるタイプです』

『え?エアバッグ・・・ですか?』

『はい、こちらにこのように・・・』


 丁寧にエアバッグシステムの説明をしていただきました。が、ちょっと金額の桁が違うことにかなり腰が引けてました。これ試着しても誤動作とかしないよね?

 エアバックの部分は、普段膨らんでいないとはペラペラの布状になっており、確かに展開していないので、その分すっきりしていますが、やはりエアーで膨らんだ時の余裕が必要らしく、サイズ的にはプロテクターを装備したもののサイズが必要だとか。

 そのほかにも、エアバッグだけのベストがあり、これを着ればどんな格好でも、胸部と背中のエアバックにより、プロテクターを付けているようなものらしく、お勧めなのだとか。


 ま、バイクを買ったとしても納車は来年なので、ジャケットとブーツは急いで買う必要も無く、色々お話を聞いてお店を後にしました。



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