第23話 第2段階 2時間目

 この時間は前の第1段階と連続した時間での教習です。


 大型二輪の教習は、僕と僕の歳より少し上くらいのおじさん(僕もおじさんですが)と2人だけ、同じ教官に付いての教習となりました。

 慣熟走行が終わった後、教官、おじさん、僕の順で、まずは卒業検定で走る第1回路を回ることに。

 さすがに10分休憩を挟んだだけですから、慣熟走行のときから身体が良く動きます。慣熟走行というのは2車線のところの中央線の間を、スラロームするようにコースを約1周することです。慣熟走行の後半では、路側帯の白線を利用しての1本橋も行い、発着点に戻ります。


 ここで順番が変わり、おじさん、僕の順に変わり、まずは第1回路を回ります。

 スラローム、波状路、S字のあとのクランク、おじさんが先に入りクランクを抜けるまで教官と入り口付近で待ってると、おじさんは2つ目の右角でフロントタイヤが脱輪し車体が大きく左に傾き、おじさんの左足は路外の草の上について、必死にバイクが倒れるのを防いでいます。

 これが僕くらい身長があるのならば、別にどうという事はないのですが、おじさん身長がたぶん165㎝も無いくらい(妻より小さい印象だったから)、もう見た目ギリギリの攻防といった感じ。あわてて教官がバイクで近くまで行き、降りておじさんのバイクを一緒に支えます。

 段差があるため教官がおじさんからバイク渡してもらい、一度草むらにバイクをおろしてから、反対側の通路へバイクを出してあげました。


 教官は入り口で待機していた僕に無線で指示を与えてきました。


『〇〇さんは、このまま第1回路と第2回路を繰り返し走っておいてください』


 というわけで、この時間は結局最後まで1人きりで、指示されたコースをグルグル周っていました(笑)。

 この時点で3回路あるうちの第1と第2はしっかり覚えていたので、気ままな一人旅です。


 が


 教習用のバイクには教官の無線を受信できるスピーカー装備されています。当然教官が3人を教える場合、その3台の教習車の無線機のチャンネルは、みな同じチャンネルとなるわけです。

 一人旅を続けながら小1時間・・・・ずーっと、おじさんへの指示が聞こえてくるんですよね(汗)。

 僕の通っている教習所は、1本橋、S字、クランク、スラローム、波状路の二輪専用のコースが、本コースに隣接しています。

 僕が見てる限り、おじさんはずっと教官と二輪専用コースの中から出て来ることはありませんでした・・・。

 二輪教習ではプロテクターを装備するのですが、プロテクターに張られた番号の色で、第1段階か第2段階かが分かるようにされています。

 一応そのおじさんも僕と同じ第2段階らしいのですが、恐らく僕よりも1時間前(さっきやった)の初めての第2段階かと思われます。


 でも、、、僕の教習車のスピーカーから流れてくる教官の教えてるのは、第1段階でみっちり教わる内容で、第2段階の初めでこのような教習を受けるくらいなら、第1段階の見極めで補習を指示した方が、おじさんのためになりそうなんですが、僕と違う月に入校した人だとしたら、補習料金がサービス(無料)になりますが、入校時期によっては有償なので、なんとも難しい判断かもしれませんね。


 教習が終わり発着点に戻ったとき、教官から


『二輪専用コースの科目、急制動ともに問題ありませんね。あとはコースをしっかり覚えてきてください』


との、ありがたいお言葉を頂き2時間目終了です。


 

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