第10話 第1段階 1時間目
天気は週間予報からずれたようで、曇ってるけどギリギリ雨は降ってない状態、いよいよ技能講習開始です。
問題の靴ですが、一応PRONOでそれっぽい安全ブーツ(つま先に鉄のカップが入っている)を2000円強で購入しておきましたが、ワンチャントレッキングシューズでも行けるかも?ということで、トレッキングシューズを履いて行って、ダメなら安全ブーツを車に取りに行こうと考えて、トレッキングシューズを履いて行きました。
さっそく教官が戻ってきて靴について聞いてみました。
『あの、靴なんですがこのトレッキングシューズで問題無いでしょうか?』
『う~ん、ギリギリですが一応踵もあるのでやってみて、もしステップから足が滑るようなら履き替えましょう』
結果から言うと、踵がステップから外れることもなく問題なしとなりました。ちょっと安全ブーツ代が勿体ないけど、防水みたいなので雨の日用にでもしようと思います。
プロテクター各種を装備して、ヘルメットも借りて、技能講習の開始を待つだけです。
名前を呼ばれたら、前回講習計画をしてくれた教官とは違う、さらにお若い教官の方でした。
『えーっと、中型をお持ちなんですね?それなら大型も難しくないですね(笑)』
『あの・・・中型は持っていますが、バイクに乗るの30年ぶり何ですが・・・』
『あ・・・そうなんですね(汗)・・・で、でも大丈夫ですよ(笑)』
始業のチャイムが鳴り、さっそくバイクに向かいます。
この時間、大型二輪の教習を始めるのも受けるのも、僕一人しかいませんでした。教官とマンツーマンの授業となり、教官独り占めなので、細かいところまで見てくれるでしょうからラッキーでした。
教習車はHONDAのNC750Lという所謂ナナハンと言われるバイクです。車重は230Kgほどで、僕が乗っていた中型バイクに比べると50kgほど重くて、トルクはあるけれど馬力は僕が乗っていたバイクより少ない、言い換えれば扱いやすいバイクです。
まずは、センタースタンドを掛けることが出来るかの実習。バイクにはサイドスタンドとセンタースタンドというスタンド(バイクを立てておくもの)が2種類あり、サイドスタンドしか無いバイクもありますが、この2種類両方が付いているものもあります。
僕の身長体重から言うと、別に大型バイクでも問題無くセンタースタンドは立てれるはずですが、一応確認なので。
サイドスタンドを払い、センタースタンドをよっこいしょ!って感じで掛けます。
バイクに触れるのも実に30年ぶりですが、何となくコツというか感触は残っていたようです。
そのあと取り回しと言って、バイクのエンジンを掛けてない状態で押して歩けるかというのを見られます。まぁこれも身長180cmの僕からすると、なんてことのない実習ですが、久しぶりのバイクはかなり重く感じました。
そのあと乗車して、発進の仕方を少々。いや~身体が覚えてるもんで、いざ乗り出してしまえば身体が勝手に動いてくれました。
教習所での大型二輪教習は、実技の進め方にどのような決まりがあるか分かりませんが、一応事前に情報を集めたところ、上に書いたもの以外に乗れたらあとはコースを周回して終わりというのが定番のようでした。
予想通りコース内の広い道を教官についてある程度走った後、乗っている教習車に付いている無線のスピーカーから
『この先、二輪専用のコースに入りますよ、付いてきてください』
との声が。
僕が通っている教習所は、一番奥の方に二輪専用のコースがあります。
専用コース内には、二輪用のS字・クランク・一本橋・波状路・スラロームがあり、このコースは自動車が入ってきません。
校舎の方から見ても一番奥なので、見学してた時はどんな感じか分かりませんでしたが
『はぁ~、こうなってるのか』
と初めて思いましたが、もしかすると僕がこの教習所で普通自動車の免許を取っていた時には、すでに存在してたのかもしれませんが、まったく記憶に残ってませんでした(笑)。
『それじゃ、一本橋やってみましょうか?手本を見せるので見ててください』
へっ?1時間目から一本橋するの?まじで?まだ教習車乗ってから20分も経ってませんが?
こう考えよう!きっと最初の乗り方見て、こいつは30年ぶりでも、それなりにバイクに乗れると判断されたんだと(汗)。こういう時、ポジティブ思考(笑)。
さすが教官、上手いもんです。頭の中で数えてたら15秒ほど掛けて渡り切りました。教官はグルっと回り横のコースに止め
『さぁ!やってみましょうか、ちなみに大型は一本橋何秒以上か知っていますか』
『確か・・・10秒以上だったかと』
『そうです、中型は7秒、大型は10秒です、まずは時間を気にしないでやってみてください!』
そんな感じでいきなりの一本橋開始です。ま、後輪が橋に乗った直後、橋から落ちたんですがね、2秒も乗ってなかったな(大汗)。
ちなみに卒業検定でも当然この一本橋はあり、通過時間が10秒に満たない場合は減点でも、落ちたら1発試験中止のメニューの一つです。
『うん、だんだんと慣れていきましょう(笑)』
元気づけてくれる教官の言葉が返って凹みます(笑)。
その後、S字(二輪用)を行うのですが、これは問題無く通過。やっぱり一本橋が鬼門なのかなぁ?とか思い始めていたのですが、2本目以降は落ちることはありませんでした。感覚が戻ってきたからかな?
あっという間に1時間目が終了し、発着場に戻り休憩時間となりました。
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