第5話 現実味

 教習所から取り寄せた学校案内や、Youtubeで僕と同じような年代の人の、大型二輪取得の動画を見ていると、妻が僕にこう聞きます


『本気で免許取るの?』


 まぁ免許の取得費用は、お小遣いをヘソクリしたもので賄うので、家計からの出費は無いから文句言われる筋合いはないのですが、その本気度を確認されてるわけです。


『普通免許を取った教習所だと、少し割引になるみたいだし、4月中までに入校手続きすると、延長の料金もサービスみたいだし』

『免許取ったらバイク買うの?』

『バイク買えるかどうか分からないけど、もし買えることになっても、それから免許取得とかだと、面倒くさくなっちゃいそうだからね』

『ふーん、お小遣いたくさん貯めないとダメだね』

『そこは宝くじでも(笑)』


 僕が本気で免許取得を目指しているとわかると、妻が聞いてくることが変わります。


『ねぇ、バイク買うの?』


 免許を取る意思が固いことを知った妻は、その先にある乗り物の方を気にし始めました。


『買えるなら買いたいけど、今欲しいバイクは高くてさ(汗)』

『(価格)幾らくらいするの?』

『うーん、ウチのジムニー(軽自動車)新車と同じくらいかな?(笑)』

『それじゃお小遣い貯めるの暫くかかりそうだね』

『お小遣いの値上げがないという前提で考えると、1円も使わないで貯め込んでも数年単位だね』

『がんばってね』

『お金貯まったころには歳取ってて、もはや体力的に乗れなくなってる可能性もあるからね。まぁそれならそれも良いんだけどさ』


 どうせ免許取るならバイクも欲しいというのは正直なところですが、是が非でも欲しいかというと、やっぱり普段の生活があるわけで、そのレベルを落としてまで趣味を追い続ける年齢じゃないんですよ。

 2台ある車のうち1台を処分してバイク買おうかと提案されたこともありますが、現状どちらかの車ですべてをこなすことが出来ないため、その選択はないかなと。 でも、妻の質問はどんどん具体的な方向へ進んでいくのでした。


『もしバイク買ったらどこに置くの?』


 いや、買えるかどうかも分からんのに、あまり具体的なこと聞かれてもねぇ・・・。


『盗まれるのも嫌だし、いたずらも怖いからマンションの駐輪場ではなく、小屋に置こうかと思ってるよ』

『小屋ってコンテナ?』

『コンテナは畑道具が満載で、もう入るところないでしょ?(笑)』

『それじゃどこに?』

『いま小屋の玄米置いている場所と、テーブル置いている場所を空けて、そこのマットを防水のものに変えて、小屋の中に入れとくんだよ』

『まぁ父ちゃんも畑するの今年で終わりかもしれないから、それでも良いかもね』

『雨が降ってバイク乗れなくても、小屋に行ってバイク眺めながらご飯食べれるしね(笑)』

『おかずになるの?(笑)』

『なるなる!』


 とまぁ、何となく会話の内容的には、妻もバイク購入に前向きではあってくれてそうな・・・ワンチャン買ってくれるかもしれないという期待値も少しはありそうな感じです。

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