〔朝顔の旅立ち〕
転がる石
妖女の洋館の前でナダ・タカキとカモノハシはスケボーの取り合いをしていた。
「俺が河原で拾ったんだから俺のスケボーだ! 返せ!」
「拾ったも何も、そもそも俺のスケボーだ!」
と2人がスケートボードを引っ張り合っていると、バリバリバリ、ドカ~~~ン!! と今は荒地となっている草原だった場所に雷が落ちた。
その落雷の音にびっくりしたのは、' ネコ ' であった。滝のように涙を流していた彼は、落雷に驚き、
「にゃにゃにゃにゃ~~~~~~」と悲鳴を上げた。
もちろん、ナダ・タカキとカモノハシも驚き、タカキはスケボーから手を離した。とつぜん手を離されたものだからカモノハシはすてーんところんでしまい、その拍子にカバンの中に大切にしまっていたオレンジ色に光る石がコロコロと転がっていった。
バリバリバリ、ドカ~~~ン!!
バリバリバリ、ドカ~~~ン!!
バリバリバリ、ドカ~~~ン!!
続けていくつも雷が落ちてきた。この雷、' ネコ界 ' にいる ' 時を司る者 ' が落としているのである。いつまでも帰ってこない ' ネコ ' に彼女の怒りは頂点に達してしまったのだ。
バリバリバリ、ドカ~~~ン!! と落ちた雷は、カモノハシのカバンから転がっていったオレンジ色の石に直撃し、雷光は2筋にわかれナダ兄弟に当たった。
タカキとヤスユキは、「ぎゃ~~~」と声を上げどこかへ消えていった。' 時を司る者 ' の逆鱗に触れれば、どこか別の時間軸に飛ばされるのであろう。
ただその瞬間、その雷光に当たった瞬間、彼らは ' 白い蛇 ' に変化したように見えた。それはサツマイモを紫スライムから人間に変化させたように、オレンジ色の石の力によるものと思われる。
ちなみに、' 白い蛇 ' は ' ナダ ' の本来の姿のうちの1つである。' ナダ ' とは何かについては、機会があればまた説明したい。
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