スケートボード
' 金色の蝶 ' はその一輪にとまった......のだが......ドメスティック・フラワーズは、その花の近くの葉っぱでパタっと、蝶を払ってしまったのである。
それで ' 金色の蝶 ' は地面に落ちてしまった。その瞬間、バフっと音を立てて蝶は元々の姿に戻ったのである。それは身長1メートルくらいの太った ' ネコ ' であった。もちろん、全知全能の彼である。
「ああ、金ピカの蝶が......!」カモノハシは残念そうに言い、
「なんだネコルか!」と朝顔は言った。
' ネコ ' はまだにゃあ、にゃあと、悲しげに泣いていて、目から大量の涙を滝のように流していた。あまりの大量の涙のため、彼は自分の涙でびしょ濡れになっている。
「ネコルはなんでそんなに泣いているのだ?」と朝顔は聞いた。
' ネコ ' は朝顔を見ると、首から下げている赤い宝石をみて、
「ノヴァ!!!!!!!!......」とまた叫んだのであった。
そしてまた ' ネコ ' は、さらに涙を滝のように流し始めたのである。朝顔は、これはどうにもならんと思い、' ネコ ' のことはしばらく放っておこうと思った。
***
上空にはナダ兄弟がつくった亜空間があったが、やがてゆらゆらと揺らめくと亜空間は消えた。当然ながら中にいたナダ兄弟と ' 人間では無い何か ' は物凄い勢いで落ちてきたのであった。
ドメスティック・フラワーズは、花弁を1枚飛ばすとその花びらは大きく広がり、彼らを包み込んだ。花びらはふわりふらりと彼らをゆっくりと地表に着地させた。
「お前達は、ナダの者か?」と朝顔は彼らに聞いたが、
「それより、さっきのアレは何だ?」ナダ・タカキは逆に聞き返した。
「アレが何かはあたいも知らないけれど......」
アレとは〈ダトゥル・ドゥ・ジョサ〉のことであるが、それが何なのか知りたいのは彼女も同じであった。
そんなやりとりをしていたところ、ナダ・タカキはカモノハシが持っていたスケートボードを見て、
「あ!! それ俺のスケボーだろ!!!」と言った。
スケートボードをひっくり返すと、確かにナダ・タカキと名前が書いてあったのである。
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