第12話
私への興味が薄れ、私が登校しても誰も何も言わなくなっているかもしれないし、長期間登校できていなかった私を先生は少しぐらい気にして便宜を図ってくれるかもしれない。
学校に行くことは怖くてたまらなかったが、現状を変える糸口が見つかったような気がして真っ暗だった人生にほんの少しだけ光が差し込んだかのように思えた。部屋の隅にあるクローゼットの取手にかけられたクリーニング済の制服が家族の期待と私の将来を背負っているように見えて、ただの布がずっしりと重たそうに見えたことを今でもよく覚えている。
それから数日後、私は数か月ぶりに制服に袖を通した。
。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます