第8話
親には学校でのいきさつを話して、もう学校には行きたくないという気持ちを泣きながら訴えた。親は想像以上に心配してくれた。心配してくれている親を見ながら身内だけは私のことを受け入れてくれるのだという気持ちになって安心したり、やはり自分という人間は身内以外には受け入れてもらえないのだという、昔から変わらない現実を改めて突きつけられて余計に泣きたくなった。
泣き続ける私を見て両親はすぐに学校へ連絡をしてくれたが、学校側の対応はお粗末なものだった。クラス内でアンケートを取ったりするなどの調査をしたり私と面談をしたりすることもなく、いじめなどはなかったとただただ一方的に主張して終わりだった。だが一度、ホームルームで私が休み続けている原因について聞いたことがあったらしい。その時加害者であるクラスメイト達は教師からの問いかけに何もなかったとしか答えなかったようで、その発言を学校側はそのまま受け取り、こちらに報告をしてきたのだった。
親は私に勘違いや落ち度があったのではないかというように責めたり疑ったりすることは無かったが、学校側の主張に反発して抗議したりすることもなかった。これ以上学校と揉めると私の心の傷が広がって今以上に苦しむとでも判断したのだろうか。
私が器量良しではないと親がわからないわけがない。憐れな娘が容姿が原因でまわりから排除される日がいつか来るだろうと覚悟を決めていたのかもしれない。昔から頻繁にいじめられて泣きながら家に帰って来ていた私を一番よく見ていた人たちだ、少なからず諦めもあったのだろう。自分のいじめの問題なのに、親に心配をかけている申し訳なさまで感じなければならない人生が本当に本当に辛いと思った。人を憎む想いよりも自分の人生を呪いたくなる気持ちの方がずっと強かった。
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