第8話 7歳 アスレチックが攻略できない件
毎日、我が家の屋上に造られたフィールド・アスレチック施設で、遊んでいます。いや……遊んでいるというか、これはもはや訓練の部類に入ると思う。
アトラクションの中には、これ、明らかに地雷だよね、っていうのもある。
たとえば、ターザンのようにロープに掴まり、高いところから低い所まで一気に滑り降りるアトラクション。
日本にあったターザン・ロープのアトラクションは、一定のスピードが出ないように調整されていたと思う。だけど、我が家のそれは、重力の法則に従ってどんどん加速していく。たぶん、ジェットコースターの最高速度くらいの感じで滑り降りる感じである。
早すぎて恐い……。口を開けていたら、風圧で口が風船みたいに膨らむくらい早い。
そして、我が家のターザン・ロープでやばいのが、ロープが終わった時。急に滑車がストップします。
たぶん、重力によって加速に加速を重ねて、時速300キロくらいあるんじゃないかって感じ。それが、突然ストップしたら……。
車や電車の急ブレーキでも、乗っていると衝撃を感じるよね。
加速に加速したターザン・ロープと私の体。それが急な停止によって、反動がもの凄い。ロープと滑車は停止しても、私の加速した体は、慣性の法則に従って更に前へと進もうとする。
何が起こるか?
しっかりロープに掴まってないと、屋上の床にたたき付けられます……。ビルの5階くらいから墜ちて地面にぶつかるのと同じくらいの衝撃だと思う。
世界樹の葉が敷き詰められていなかったら、怪我をするよ……。7歳の子供になんて危険なアトラクションをプレゼントするんだ……。
時速300キロのターザン・ロープから無事に降りられるようになるのに、かなり苦労をした。やっと、空中で一回転してから地面に華麗に着地できるようになった。
ちゃんと着地できるようになるまで、すっごく苦労をしました。
このターザン・ロープの面倒なところは、一度それで遊んだら、またロープを高い場所まで戻さなければならないという作業だ。
これは、スキーなどでも同じかも知れない。山の頂上から滑るのは重力に従って滑って降りれば良いだけ。だけど、滑り終わって、もう一度滑ろうと山の頂上に行くのは大変だ。日本ならリフトに乗っていれば山の頂上に行けるけど、そんな便利なものはない。
ロープをまた高い場所へと引き戻さなければならない。結構これが大変だった。
あと、地雷なアトラクションは、木の棒から棒へと飛び移るアトラクションだろう。これはきっと、森の中を想定したアトラクションだと思う。
森の木の枝から他の木の枝へと飛び移りながら移動する。森の中を歩くよりも、エルフっぽい移動方法だと思う。
だけど、地雷なのが、飛び移る木の棒にたまにトラップが仕掛けてあるということだ。
飛び乗った瞬間、その木の棒が落下を始める。森の中で、飛び乗った瞬間にその枝が折れてしまった! というような事態の想定をしているのだろうけど、最初はすっごく焦った。というか、何も出来ず落下しました。
そんなアトラクションだけど、結構楽しいです。
全部のアトラクションを一回で全てクリアしたら、お父さんのパウロさんが素敵なご褒美が貰えるらしい。
目下苦戦中なのが、壁越え。その壁は、サルスベリの木のように滑りやすく登ることができない。ジャンプだけでその壁を越えなければならないのだろう。
垂直跳びで5メートルくらい飛べれば余裕なのだけど、まだ3メートルくらいしか飛べない。でも、七歳で垂直跳び3メートルは凄いと思う。人間の身体能力を越えているよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます