第四章 大事なものと中年冒険者

第39話 新たなダンジョンと中年


 テレビでは、世界中の冒険者特集なるものをやっている。


 現在、一般人での1位はBカード赤(31〜40)の4人パーティーらしい。アメリカのセントラルパークダンジョン、15層を突破したらしい。


 リーダーのアントニオは人気があり、高層ビルの最上階に拠点を構え、優雅な生活を送っているらしい映像が流れている。


「あんな有名になって暮らしにくくないのかねー」

 俺には、ソファーに座ってテレビを見ている、今の自分が合っていると思う。


「だね、外も歩けないんじゃない?」


「俺はマッタリ暮らせればいいかな」

 とここで臨時ニュースのテロップが流れる。


「今度は東京の秋葉原と、宮城の仙台城跡だって? どーゆう基準でダンジョン生えてくるんだ?」


 てか原発とかにできたら、シャレにならないな。


「なんか下に来てる気がするけど、一気に二ヶ所だしねー」


「北海道もまだ20層だし、次が来ても周れないよ」


 ソファで寛ぎながらチャンネルを変えてみると、秋葉原が映っている。


「おぉ、メイドってまだいるんだね」


「ダンジョン出来ても結構、通常営業っぽいね」


「危機感足りないねー」

 とザッピングするとやはりいろんな国でダンジョンが発生する現象が起こっている。


 日本は2つだが多いとこだと4つも出来たらしい、これ絶対増えるよな。


 昼ご飯を食べ、食後の運動に北海道へ。


「今日ノセは?」


「仕事らしいっすよ、アイツんとこ小さい会社だから呼ばれたらしいっす」


「んじゃ今日はノセ抜きの4人でとりあえず二十五層のボスまで行くかね? 危なかったら逃げるけど」


「カズトさんいればなんとかなるでしょ、デッカい魔法撃つ時はちゃんと声かけて下さいね」 


「うい」


 で二十層に転移。

 二十一層、とても寒い雪原だ、吹雪いては居ないが一面真っ白で敵が見えない。


「賢人の右前にいる」

 マップに反応しているので賢人も気付いてるみたいだ。


「そいっ! って白熊かよ!」

 賢人が横に避けると4mほどの白熊が現れた。


「サンダーランス!」

『グガァッ』


 モッチーが一撃で倒したがこんだけ見辛いとキツイな。


「ラッキー、毛皮と魔石だ。フカフカだよ」


 熊だけならいいけど、ってまた反応が、速い。


「サンダーネット!」


 バチィ! とぶつかったのはサーベルタイガー? 真っ白だけど。


「牙長っ! ここさっさと抜けた方が良いかもしんないっすね?」

 とトドメを刺しながらボブが言う。


「いままでの傾向からすると、十層は続くだろ」


 マップ頼りでゆっくり行くしかないかな。


 ここは熊とサーベルタイガーしか出てこないみたいで毛皮と牙が大量にとれた。


 ようやく二十二層に着いたが、もっと見通しが悪くなり流石に引き返す。


「これじゃ前も見えないし寒い……」



 ギルドに入り食堂で暖を取っていると、いつもの受付のお姉さんが寄ってきて。


「お疲れ様です、今日はお早いですね? なんか問題でもありました?」


「問題は無いですね、昼までテレビ見てましたし。東京と宮城にもダンジョンが出来たみたいですね」


「そーなんですよ! それで今マスターが東京のギルドに行ってて、ここのダンジョンもあんまり進んでないのに……」


「やっぱりアンデッド層ですか?」


 受付のお姉さんは首を横に振り、

「あまり進めないから、東京や宮城に行くって人が出てきまして。このまま少なくなると、前のダンジョンみたいにモンスターが出てくるんじゃないかと……」


 ここで人手不足か、全国にはいるんだろうが北海道だし遠いよな……



 まぁ、俺らは俺らで先進むかな。


 とゆう事で異次元ハウスに戻った俺達、二十一層からの雪対策として、


「てれれれってれー! ゴーグルアンドスノーモービルー」


「兄ちゃん似てない、てか二台も?」


「いや、似せてないし……」

「いや、兄さん、そこで落ち込むっすか?」


「うっせー! お値段なんと、二台で160万!」


「「たっか! 新車?」」


「中古」

「ボッタクリ?」


「相場がこれくらい、状態は良いよ」

 一緒に買いに行ったモッチーがフォローする。


「2人乗りで行けば楽っしょ!」

 時停倉庫にしまってレッツゴー!


 今日もノセは仕事らしく、美羽もお留守番。


 防寒対策もバッチリなので、

「たーのーしー! 前方左に敵」

 デッカイモグラが顔を出す、


「りょ! ファイヤーランス!」

 停止してドロップ拾ってまた発進。


「これまじ楽!」


「後で割り勘な!」


「「「えぇ〜」」」


 楽しく二十二層もクリア!

 出てきたモンスターは白魔熊、雪土竜。


 二十三層、これまた敵が分かりづらい。


 ランスペンギン、一角アザラシ、コイツらが滑って突っ込んでくる。

 マップで確認してるから土魔法で壁作れば自爆してくれるけどね。


「しゃー! ガンガン行こうぜ!」


 二十四層、早くもガンガン行けなくなった。


 ホワイトバットに一角アザラシ、隠れて魔法で攻撃してくるマジックフォックス。


 ここは流石にスノーモービル壊れる可能性があるから地道に倒して行きますよ。

 ドロップ品が白い毛皮だらけ、角とか牙も落ちるけどアザラシの肉って食えるのか? 解析では食用になってたけど……


 

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