第40話 進んでない攻略と中年

北海道ダンジョン 。


 二十五層、やっと着いた。


 みんなで気合い入れて扉を開けると、


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

スノーゴーレム ランクC

レベル50

作った主人の命令を実行するロボットのような存在だが、魔力を吸収し暴走している。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


「えーと、暴走スノーゴーレムらしいです」


「それだけ? ほかは?」


「載ってないよ」


「各自、命大事にでよろしく!」


「「「よろしくー」」」


 5mはあるデッカいゴーレム。だが所詮雪っしょ! という事で、


「俺からいきまーす! みんな離れてね」

「キャァァァァ!」

 みんなダッシュで逃げる。


「この前使った 獄炎牢!」

 スノーゴーレムの周りを炎が取り囲み、


「溶けてしまえー!」

 ……スノーゴーレムは、溶けなかった。


「ださっ! カズトさんダサっ!」


 モッチー後でしばく! てかコイツノーダメかよ?


「操影縛!」

 賢人が右足を縛り付けた、


「かーらーのー、炎爆斧!」

 ボブの攻撃で右足が折れた! が再生した!?


「これ、どっかにコアがあるねー。ゲームとか漫画なら、額の文字消せば良いだけだけど」


「とりあえず、急所狙ってみますか?」


 ファイヤーランスを4本だして、頭、喉、心臓、股間に投げつける!


「見事に溶けたね、股間は分からんわ」


「炎のピーーを付けてあげようと思ったら、倒してしまった」

 なんとも情けない終わり方だった。


 なにはともあれドロップ!


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

永久氷石×2

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 これなんに使うの? つかこれだけかよ……


 宝箱に期待を込めて、


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

魔導書(水氷)

マジックポーチ(容量10個)

金貨5枚

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 まぁいいけど、魔導書はコレクションしよっと。あと金貨5枚出たからいいか!


 もーマジックポーチは要らんのよね。


 二十六層を見てきたがやはり雪。降っては居なかったがもう飽きた。


 ギルドに戻り、あったかいコーヒーを飲む。


「兄ちゃん、毛皮どんだけ集まった?」


「数えるのが嫌になるほど……」


「自衛隊も入ってるんなら、早く降りてきてくれないっすかね」


「売れないのはキツイっすねー」


「何が売れないんですか? 買い取りますよ?」

 ガタガタッ!?


 気を抜いてたらギルドのお姉さんが背後に立っていた。


「そんなに驚かなくても、内緒の話ですか?」

 可愛らしいお姉さんなんだけどねー、


「まーそんなとこです、てかこんなとこで油売ってて大丈夫ですか?」


「いやー、お兄さん達、毎日見るけど最初に素材大量に売って、この前角売ってくれたじゃないですか。

 で今日は帰ってきたら買取所に来ないから、どーしたのかなぁって」

 顔覚えられてる、やだなぁ。


「そーですか、なかなかいい収穫が無くて。最近、ダンジョンは、何処まで進んでるんですか?」

 まぁ無難にいきましょう。


「そうなんですか、ようやく十層を突破して、草原のような所に行ってるらしいですよ。

 お肉が凄い美味しいらしいんですけど高いんですよね」


 ならそこら辺までは売れるか……いや、まだだな。


「アンデッドゾーンは、どうやって攻略したんですか?」


「大きな声では言えないんですが、火炎放射器で丸焼きにして通ったそうですよ。

 凄い匂いだったそうです。

 十層はリッチって骸骨で大分苦戦したそうですね」


 ほぉほぉ、

「役に立つ情報有難うございます」


「いえ、すぐに公開される情報ですから」

 とニッコリ笑うと、


「お兄さんカッコいいですし、応援してるんで! またいい素材がとれたらお願いします。 

 それでは仕事に戻りますね!」

と手を振って別れた。


「兄ちゃん、美羽さんに言うよ?」


「バカ! 何もしてないだろ? 変な事言ったら血の雨が降るぞ!」


「まぁカズトさんも賢人も顔だけは良いからなー」


「今は賢人だけだろ、俺なんか浮浪者みたいだろ」


「兄さんは今、ワイルドな感じですよ? てか兄弟でイケメンってずるいっすよ! ノセに分けてあげて下さい」


「お前はいいの?」


「兄さんのならいる! お前はチャラいからいらん!」


「ボブの癖に選り好みをするなんて」


「イケてもいない只の中年のオッさんだ。女にだらしないのは賢人だけ」


「兄ちゃんひどい……」

「ヒャッヒャッヒャッヒャッ」

「変な笑い方すんな! クソボブ!」

 と二人はいつものジャレ合いを始める。


 まぁ、俺のは只の営業トークだ!

 

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