第12話 ゴブリンと中年

 それからはケガも無く、地図を埋めて行く。

 新しいモンスターも出てきたが強くはなかった。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

ゴブリンファイター ランクF

鎧とナイフの装備、グリーンゴブリン


ゴブリンシールド ランクF

盾を装備、動きが遅い、グリーンゴブリン


ゴブリンナイト ランクF

剣と鎧を装備、動きが遅い、グリーンゴブリン

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 とこんな感じでほぼグリーンゴブリン。ナイフや剣もドロップしたがボロくて使える気がしない、時停倉庫で保管している。


 宝箱は2個見つけた、罠もなく、ポツンと置いてあった。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

ローポーション:低級ポーション、軽い傷などは治るが骨折などには効果が薄い


ポーション:傷や骨折が治る、欠損などには効果がない


樫の杖:樫で作られた杖、魔法力微増


橙のハチマキ:力微増

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 ローポーション3本、ポーション1本、樫の杖とハチマキ、あと銀貨が3枚と銅貨が10枚。


 杖はモッチー、ハチマキはノセが装備し、帰りも順調にゴブリンを狩りながら帰った。




「「「「「ただいまー(です)」」」」」


 美羽に報告しながら飯を食う、


「美羽さん見て! このナイフカッコよくない?」


「え? お土産は?」

 おー、美羽の目が怖い。


「…………あ、コインは? 兄ちゃんコイン美羽さん使えるんじゃない?」


「ん? あぁ、飯終わってからな」


 疲れたからゆっくりさせてくれ……



 銀貨と銅貨を美羽に渡して物品交換で買取してもらう。


「全部でDP31000、銀貨が1枚1万で銅貨が1枚100みたいだね、なんか交換する?」


 ほー、結構良さげなものだったんだな、

「防具でなんかない? 賢人が今日ケガしたし」


「え?賢人君ケガしたの?」


「回復魔法で治療したから、傷も残って無いけどね」


「でも必要だね、んー……皮の防具が買えるかなー、他に買取出来るのない?」


 俺は時停倉庫に入ってるドロップ品を出して買取してもらう。


「今までの合計がDP52250になりましたー、さて買い物しよっか?」


 革の胸当てを3つ(1つDP12000)、革の籠手が3つ(1つDP4000)でDP48000、とりあえずこれで前衛3人の防具にする。

 何の革か分からないが軽いし硬くてなかなか良さそう。


 ノセがとってもブーたれている。


「俺もなんか欲しいです」


 しょーがないから革の籠手をもう一つ追加、残りDP250になった。


 装備はどういう仕組みか分からないが着るとフィットして不思議素材だ、渋い茶色でカッコいい。

 これぞ冒険者だな。


 SPボールは今のところ喧嘩になるので封印することになった。


 明日もまたダンジョン探索だな。




 日曜日、昨日美羽が買ってきてくれておいたパンを時停倉庫に収納し、朝から扉の中で装備を整えている。



 まーゴブリンの剣だけ抜身で危ないからボブには注意してもらい、昨日の地点までやってきた。


「下に行く階段はないのかなー?」


 賢人に言われマップを確認するが、まだ見てないとこもあるので探索を開始する。


 右側も埋まって左の奥の方に来たところでまた赤点が密集している。

 今度は12体、動いてるから数えるのが大変だった。


「この奥に部屋がある、敵12、どーする? 辞めとくか?」


「俺、火魔法使うわ! 酸素とか薄くなるかもだから撃ったら一回離れて様子見ない?」


「んなら俺がモッチーと一緒に行くか、後のみんなは奥の曲がり角で準備だけはしといて」


 ボブ、賢人、ノセはうなづいて奥に隠れる。俺とモッチーは近づいていき、


「ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール!」


 そして逃げる! 走って曲がり角までいき、マップで確認。

 赤点は7つに減っていて3発で5体も倒せたらしい、集まってたから巻き込んだか?


 角から顔を出すとゴブリンファイターが4体通路に出てウロウロしていた、酸素は大丈夫そうだな。


「モッチーまだ撃てるか?」


「全然問題ないよ、次は水でいくよ?」


「ウォーターボール、ウォーターボール!」

 角から飛び出し2発撃ったがガードされた、


「「「うぉぉおぉ」」」


 俺、ボブ、賢人が飛び出し4体を倒す。


 残りは奥の3体だがレッドゴブリンだった。


『ゴァァ!』


 向かってくる1体に俺が飛び出し、レッドゴブリンの横薙ぎに振る剣を下から跳ね上げ、首に木刀を叩き込む。


「セァッ」

『ゲァッ……』


 レッドゴブリンは首が曲がり動かない。


『グォォォ』


「ウォーターボール!」

「ーーアブッ! ナイっす」


 右からきたレッドゴブリンの肩にモッチーのウォーターボールが当たる。

 振り下ろす剣の勢いがなくなった所をボブが剣を横にして受け止め、賢人がナイフで脇腹を刺してすぐ離れた。


「ハァッ! ボブナイス! オラァ」


 次は足を斬りつけ離れる。


『グギャァァァ』

「賢人ナイっ! ス』


 よろめいたレッドゴブリンにボブが首を刎ねトドメを刺した。



 俺はボブが受け止めた隙に目の前のゴブリンを押し倒して、もう1体に向かおうとすると後ろに居たらしく、倒れるゴブリンにぶつかって剣を落としてよろけているゴブリン。


『ゴァッ』

「らあァァァ」


『ゴボッ!ゲァッ!ギャッ……ゴッ……』

 木刀で鳩尾を突き、くの字になってガラ空きの頭を殴打して倒す。



「こんにゃろ! こんにゃろ! これで……トドメだァァァ!」


 気づくと後ろで倒れたレッドゴブリンをノセが鉄の棒で殴打中……首が折れたのに死んでなかったみたいだけど……


 だが前のレッドゴブリンより動きが遅く感じたな、レベルが上がると変わるもんだな。

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