第6話 チートな中年

俺はそれから美羽に説明し、今日マンションのダンジョンでレベル上げをしていたことも謝った。


 昨日忘れていたがステータスカードと魔石は美羽が片付けていたらしく、テレビを見た後確認したらカードが無くて俺が持っていったと思ったらしい。

 

 ステータスを開いて美羽に見えないかなぁ?と思うと可視化しますか? と表示されたのではい、と答え美羽に見せる。


「わぁ……凄い……賢人くんとか詳しそうだね」


「だな、連絡してみるか、てか美羽のお父さん達は大丈夫なのか?」


俺の家族はもう弟以外いないが美羽の家族が心配だ。


「テレビで見てたらすぐ電話かかってきたから大丈夫。だけど数人が帰って来たこと、連絡してないから電話するね」

 と電話しに行った。


 さてと、俺も連絡するか。仕事だろうから、返信は遅いだろう。




(ダンジョン発見、至急連絡されたし(笑))


 久しぶりのLIMEのグループへの送信、どんな返事が返ってくることやら、ちょっと楽しくなってきたな。


 あとは扉を他の人に発見されるとまずいな、なんかスキルであればいいが……


 スキルを探す、これが良さそうだな。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

隠蔽:物体を認識できなくする(Lvにより認識される確率が下がる)SP5


地図:半径1キロのマップを表示(Lvにより表示範囲を広げられる)SP20

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 この2つを取得してみた。

 隠蔽は発見される事もあるのだろうか? 試しにコップに隠蔽をかけてみるが俺にはなにが変わったのかわからない。


「お母さんが数人カズトの事心配してたよー、無理しないでね? だって」


 美羽が戻ってきたので聞いてみる、

「そっか、悪いことしたなぁ、あ、美羽コレってどうなってる?」


 コップを指差して聞くと、

「テーブル? なんかしたの?」


 ほぁー、分かんないのか。

 それから色々検証したがある事が分かっていると隠蔽できない、動かすと隠蔽が解けるらしい。

 だがLv 1でもこれならすぐにはバレないだろう。


 さっそく車を取りに行くついでに扉を隠蔽して後から美羽を呼ぶ、成功したみたいでホッとした。


 夜になり続々とメールが届く。


 俺の弟の賢人ケント(25歳)、

 10も歳が離れているが嫁も呆れるほど仲がいい。

 外見は背は俺より少し低いが、髪は金髪にしていてイケメンでチャラい。

 だが中身はゲームオタクでいまはFPSと言うのにハマっているらしい。



 ケント (今帰って来たけど、ダンジョンはマジで? つか兄ちゃんは大丈夫なん?)


 まー最近は病気のこともあったから連絡してなかったな、


 カズト (昨日見つけてゴブリン倒した)


 ケント (マジで! ゴブリンいるの?)


 ボブ (兄さん本当ですか? 怪我してないっすか?)



 ボブ(朱鞘 雄介シュザヤ ユウスケ25歳)

 は賢人の同級生。

 中・高と柔道やってて身長180で体格もゴツく坊主頭と強面だが、眼鏡を外すとめっちゃキラキラしたつぶらな瞳をしていてビビりな可愛い奴だ。

 ボブってアダ名はボブっぽいから。



 カズト (怪我したけど治った)


 ボブ (説明が少ない! 兄さんっぽいけど笑)


 ノセ (いま動画とか見たけどホラーですよ、ダンジョンとかゲームじゃないですか)



 ノセ(能勢 千紘ノセ チヒロ 25歳)

 こいつも賢人の同級生。

 ブサイク代表、ウザ絡みが得意で空気が読めないが俺は好き、ドワーフみたいな身体つきだがプヨプヨで賢人より身長は低い、いじられキャラだ。



 モッチー (てかいつ集まる? 金曜の夜? 土曜? 数人さん迎えに来て)


 カズト (金曜だとみんなが何時に終わるかだな、迎えに行く順番決めないと)


 ノセ (無視しないでー)


 ボブ (金曜って明日っすよね、俺有給取ってるから明日、朝から行っていいっすか?)


 ケント (お前ふざけんな、俺も明日休みだから迎えに来い!)


 ボブ (どーしよっかなー笑)


 ケント (俺ん家くる予定だっただろうが!)


 モッチー (じゃー夜は俺とノセを迎えに来てよ)



 モッチー(持田 清志モチダ キヨシ 29歳)

 会社が一緒で仲良くなった、今では親友だな、今は違う会社で派遣社員をしている。

 身長は175位かな、肌が黒く、目はパッチリしてるが、オシャレはしない。

 身なりに気を使わない奴で家でゲームばっかしてる。

 今の俺と同じく見た目浮浪者。(こいつは服も気にしないから俺のお古ばっか、俺より酷い)



 カズト (んじゃ明日朝からケント、ボブ、で夜にモッチーな)


 ノセ (兄さん、俺! 俺! 忘れてますよー!)


 ケント (りょ)


 ボブ (了解です、ケント拾って行きますね)


 モッチー (終わる時間分かったらメールするよ)


 ノセ (ノォォォォーーーーー!!!)


 カズト (明日メールしろよ、ノセ)


 ノセ (はいっ! 了解であります!)



 これがいつものメンバー。

 集まるのは久しぶりだな、独身時代は土日はとりあえず集まって、夜中までゲームしたり飲み行ったりが通常だったんだけどなぁ。


 でも今度はリアルだからな、大丈夫かな?




 翌朝、

「おっはよーございまーーす!」

 ボブのテンションMAXだ。


「「うーっす」」


 俺と賢人はフツー、

「久しぶりだねー、コーヒーでいい?」

 美羽も普通だ。



「あれ? みんな元気出して行こーよ、久しぶりだよ?」


「お前だけだよ! 美羽さん久しぶりー、ブラックでお願いします」


「了解、ボブ君は?」


「あっ、ジュースとお菓子買ってきたっす」


 とりあえず4人でリビングに移動し、ステータスを見せてみる。



「「チート」」


 賢人もボブもハモりやがった。

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