第5話 嫁と中年
晩飯後にソファーでマッタリしながらスマホをポチポチ。
とりあえず護身用に置いてある木刀持ってレベル上げをしなければいけないな。
半年後になにが起こるか分からないから出来る事はしとかないと、もし木刀が通用しない時を考えるとネットショップで武器を買っといた方がいいよな……
嫁になんて言って買うかが問題だ。
洗い物が終わったのか美羽がコーヒーを持って隣に座る。
「はい、どーぞ。お昼よりは顔色良くなったね、少し寝たのが良かったのかな?」
顔を覗き込んで確認してくる美羽。
「そーだな、まぁ昼間はごめんね、自分でもよくわからなかったから」
「大丈夫、気にしないでゆっくりしよ?」
いい嫁をもったな、まだ話はせずに世間が騒ぎ出してからでも遅くないだろ。
国が動いてるんだしな。
早くニュースとかで発表しないかなぁ、そしたら嫁に話せるのに……
でも俺にできることをするか。
明日は朝からダンジョンに行って、木刀で行けるか確かめてみる。
……ニュースの確認してから。
翌日、勝手に外に出るわけにはいかない。嫁に会社から電話があって、病状の確認をしたいらしいから行ってくる、と嘘をついて車を近くの大型スーパーの地下駐車場に停める。
「はぁ……嘘ついてしまった……」
でもいまは我慢してもらわないと、ニュースとかにもなってないし理解してもらえないよな。
まじ国はなにやってんだ!早く発表しろよ!
こっそりマンションに歩いて戻り、扉の前に来た、時停倉庫から木刀を出し扉の鍵を開ける。
「安全第一、ヤバけりゃ逃げる」
自分に言い聞かせ扉の中に入る、周りはやはり明るくてライトは要らないな。
ザ・ダンジョンって感じの石造りのダンジョン。
内側にも取っ手があるのでワイヤー錠で軽く縛る、鍵を掛けると俺が急いで逃げる時が怖いしな……
注意しながら歩いていく、T字路で左右を確認すると左にゴブリンが2体、解析する。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
グリーンゴブリン ランクG
Lv 3
低級の小鬼、力は弱く知能も低い
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
2体とも解析結果は変わらず、ランクは分からないが昨日の奴と同じっぽいから弱いのだろう。
後ろを向いた瞬間に駆け出そうと足に力をいれたら、自分の身体なのに勝手に前に飛び出してしまい、ゴブリンを巻き込み大クラッシュしてしまった。
「いったぁー! ご、ゴブは?」
ゴブは左右の壁にぶつかったのか動かない。
「と、とりあえずトドメを」
勢いよく手をついたら今度は身体が少し浮いて前のめりに倒れる。
「ぶふっ」
顔を起こすとゴブリンは黒い煙を上げていた。
「……あぶなぁ」
ゆっくり立ち上がってドロップした魔石を拾う。鑑定。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・
グリーンゴブリンの魔石
極少量の魔力を秘めた魔石
ー・ー・ー・ー・ー・ー・
魔石を収納し周りを見渡す、モンスターの陰はない。
とりあえず扉の前まで戻りステータスを確認するが、レベルは上がってない。
でも、レベル上げの前に身体の動きに慣れないとな……
あれから1時間、T字路までダッシュや素振りなどをして身体を慣らす。
色々やってわかったが身体操作のスキルで魔力を纏うと思っているより力が入るようだ。
感覚が慣れてくると思い通りに身体が動く、途中で出てきたゴブリンもなんとか倒せるようになった。
ステータスを確認すると、
「おぉ、少し上がってる」
身体操作 Lv 3 →2UP
魔力操作 Lv 2 →1UP
成長促進が仕事してるのかな? てか全体のレベルはまだ上がらないんだな、経験値とかどーなってるのかな?
「まー動いてればそのうち上がるか」
それから道を覚えながら探索していくが結構広いようだ、ゴブリンしかでてこないけど。
「レベルUP音とかしないんだな、まめに確認するか」
しばらくしてステータスを確認するとレベルが上がっていた。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
名前 :カズト センジャ
種族:人間 /男
年齢:35 レベル:3 →2UP
HP:390/400→+300
MP:90/150→+50
力:190→+60
器用:150→+60
丈夫:170→+60
敏捷:85→+15
知力:115→+15
精神:115→+15
運:35→+5
職種:剣士 Lv 4+ →3UP
SP:10080
【スキル】+
剣術 Lv 3 →2UP
拳術 Lv 1
再生 Lv 2 →1UP
身体操作 Lv 4 →1UP
身体強化 Lv 1
生活魔法 Lv 1
魔力操作 Lv 3 →1UP
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
結構色々上がったな、とりあえず戻るか。
スマホを確認すると家を出てから4時間たっていた。
ゴブリンを倒しながら扉の外に出る。
スマホがペコペコ通知音を立てる。
「中は圏外だったのか、えっ?」
扉に鍵を掛けると急いで家まで走る。
「ただいま、どうした?」
美羽は泣きながら抱きついてきて、
「ごめんなさい……ちゃんと信じてあげられなくて……」
俺は頭を撫でながら、
「大丈夫、どうしたの?」
と声をかける。
目頭が熱くなる、なんだ?信じる?…なんで?
なぜあんな馬鹿げた事を信じてくれたんだ?
美羽をなだめて、リビングに行く。
説明を聞くと世界中でダンジョンの事が発表されたそうだ。
日本では扉に自衛隊が規制をかけており、一般の人は入れないらしい。
扉は同じ形をしているらしく、発見しだい警察に連絡をお願いしているらしいが、すでにネットに色々流れていてモンスターを倒している動画もアップされているみたいだ。
「いまどこのテレビでもこのことばっかり、昨日
美羽はすぐ俺に連絡を取ろうとしたが繋がらなく焦っていたらしい、本当に申し訳ない。
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