子供の理想と大人の現実
小さなころは
可愛いお洋服着せてもらって、
くるくる踊ってピアノを弾けば
みんなが手を叩いて喜び褒めてくれたんだ。
大事にしてもらってきたんだ。
「昔はかわいかったわねえ」
母親が言った。
「そのまま大きくならなければよかったのに」
私だって大人になりたくなかった。
襲ってくる罵声に、きょうだいの手を引いて、
必死に逃げた日々なんかなければよかったのに。
あなたたちが愛していたのは将来有望な子供でしょう?
未来に、どんな大人になるか分からなくて、
期待したってガッカリするには早すぎたからでしょう?
多くの可能性が秘められている幼子だったからでしょう?
こんな大人になると分かっていたら愛せなかったでしょう?
私だって、こんな大人になりたくなかった。
小さなころに描いた理想の自分になりたかった。
けれど、理想と現実は
どんどん離れていくばかり。
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