荒野の墓

どうせみんな自分を許しているんだから

私も許しちゃえばと思うけれど

私が全部許して忘れちゃったら

この十字架はどこへ持っていけばいいの

代わりに誰が背負ってくれるの


冷えきった 荒れた大地に 

お前たちの骸をせっせと埋める

爪が割れて 指先が血に染まっても


体が芯から冷えきって 

汚れた空気と同じような温度になる

土をかけたら上から踏みつけて、唾をかけて、

墓標も立てずにその場を去るよ


日が昇れば すこし温められる空気に晒されて

乾いた土と 私の頬が ひび割れる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る