第167話 それが答えだ
大会の会場となるホールの駐車場には、他にも多くの学校のバスが止まっている。
吹奏楽コンクール県大会本選、高校生の部・B部門。
それに出場するため、
ついに、本番の日がやってきたのだ。
そう思って鍵太郎は駐車場で辺りを見回した。会場には他にも演奏のため、県内から多くの学校が集まってきている。
そのコンクール独特の緊張感の中で――
部長の
「みなさん、いよいよ今日が本番です! 気合いを入れていきましょう!」
彼女の勇ましい号令が、これほどふさわしい日もない。
その言葉に鋭い返事があがり、場が引き締まる。緊張と興奮がない交ぜになって落ち着かなくなってきた部員たちも、部長の一喝によって冷静さを取り戻した。
だがそれは――矢をつがえた弓を限界まで引き絞るような、そんな力強い集中を伴ったものだ。
これは去年とはまた違った、今年独特の手応えだった。人が変わるとこうも変わるか、去年の三年生たちのことを思い出して鍵太郎は首をひねるが、今年も今年でいい演奏になっているのは確かなのだ。
だったら今日はこのメンバーでできる、一番いい演奏をすればいい。
去年は去年で、今年は今年だ。
そう思って、鍵太郎がトラックから自分の楽器を下ろそうとすると――ふと、荷台の上で忙しく動き回る、部長をはじめとした打楽器のメンバーが目に入ってくる。
「先輩、そういえば打楽器の搬入って大丈夫ですか?」
これだけ大量の楽器があるのだ。気になって、運搬でバラした楽器を本番用に組み立てる優に、鍵太郎はそう訊いてみた。
打楽器だけは搬入口が別となるため、ここで分かれたらもう本番まで顔を合わせることはない。
そういえばそこまで気が回っていなかったが、演奏者数人で、全部を運んでいくのは大変ではないだろうか。
そう思っての問いかけだったのだが――しかし部長は手を動かしながら「心配無用です」と答えてきた。
「去年の三年生たちに応援を頼みました。搬入から舞台袖まで、楽器運びを手伝ってもらいます」
「……先輩たち、呼んだんですか」
意外に思って、鍵太郎は目をぱちくりさせた。
予選のときは先輩たちの応援を断っていた優だ。いったい、どんな心境の変化なのだろうか。
そう思っていると、彼女は笑っているのか気まずいのか、そんな曖昧な表情を浮かべて言ってくる。
「もう、開き直りました。自分の意地を通すとか、そういうことを言っている場合ではないので……使えるものは先輩だろうとなんでも使うおうと、そう思った次第です」
「――あ、あはは……。そうですか。いいんじゃないですか、それで」
このあいだ、千羽鶴を作ったときと同じように、唇を尖らせている優を見て――鍵太郎はなんだかおかしくなって、笑いながら部長にそう言った。
去年は去年。今年は今年だが。
それでも、先輩たちが力を貸してくれるなら百人力なのだ。そう思って笑っていると、部長はギロリと凶悪な眼差しをこちらに向けてくる。
「……笑ってないで、早く楽器置き場に行きなさい。あなたはただでさえ大きい楽器なんですから、人から遅れたら大変ですよ」
「は、はい。すみません、いってきます……」
久しぶりに本気で睨まれて、顔を引きつらせて回れ右をした。
コンテナ状になっているトラックの荷台の端まで行くと、そこでは八月はじめの強烈な日差しが、こちらに降り注いでくる。
そのあまりの光量に、思わず目がくらむが――
「――湊くん。ではまた、本番で」
「――はい! じゃあまた、本番で!」
後ろから優の声がかかってきたのに背中を押され、鍵太郎は笑って、その光の中に飛び込んでいった。
###
楽器置き場に荷物を置くと、あとは誘導開始まで自由時間となる。
その時間をどう過ごすかは人によって様々だ。大抵の人間は他校の演奏を聞いて参考にしたり、ホールの響きを確かめに行ったりする。
ずっと楽器置き場に座っているのも退屈なものだ。なので、ご多分に漏れず鍵太郎もホールへ向かうことにしたのだが――
「ん。今日の会場補助員は、宮園高校じゃないみたいね」
同い年のトランペット吹き、
去年のことを思い出すに、そう警戒するのも無理もないかもしれないが。
しかし光莉も光莉で、この間のホール練習のことといい、色々経験してだいぶ立ち直ってきたはずではないのか。
そう言うと――なぜか彼女はいつものように顔を真っ赤にして、「だ……っ、だって! さすがにあれだけじゃ、いきなり大丈夫にはならないわよ!?」と怒鳴ってくる。
「こないだのアレはかなり感覚的だったから、未だにどういうことかよくわからないし!? だったらまだ、気をつけておくことに越したことはないでしょ!? ねえ、そういうことよ!? わかった!?」
「わかった、わかったよ……」
でも、だったら別に俺じゃなくてもいいじゃないか――と言ったら殴られそうな気がしたので、大人しく一緒に行くことにする。
出演者用の入場券を見せて、大ホールのロビーに入る。中には既に知らない制服の生徒がたくさんいた。
今は演奏中で、ホール内に入ることはできないようだ。
突っ立っているのも邪魔なので、中の演奏が流されているテレビの前に二人で座る。
そういえば、いつもこの席で他の演奏を見ているというバスクラリネットのあの先輩の姿が見えなかったが――おおかたどこかの自動販売機で、缶コーヒーでも買っているのだろう。
なので光莉と一緒に、黙ってテレビから流れてくる音を黙って聞くことにした。
そこで演奏しているのは知らない学校で、知らない曲だ。
けれど――一生懸命やっていて、それに技術がついていっていて、とてもいい演奏だなと思う。
「……上手いわね」
隣で光莉も、ぽつりとつぶやいた。「うん」と視線を外さないまま、鍵太郎もうなずく。
コンクールは審査員によって点数がつけられ、金銀銅賞が決まるシステムではあるが。
そういうことを忘れるくらいに、これは真摯な演奏のように感じられた。純粋に好みの問題と言われればそうだろうが、こういうところが県代表になってくれればと思う。
きっとこの学校の人たちも、ここに来るまでに相当色々なことをしてきたに違いない。
それをこの本番にぶつけているのだ。曲が終わりテレビの中で大きな拍手があがったので、あまり大きな音は立てられないが、こちらも拍手をしておいた。
同じ場所にもいないし、絶対に音も聞こえないだろうけど。
それがこの演奏に対する、最低限の礼儀だと思ったからだ。
舞台が暗転し、入れ替わりで次の学校が準備に入る。
ホールとロビーをつなぐドアが開放されて、中にいた何人かが出てきた。
この隙を逃すと、また次の演奏が終わるまで中には入れない。
なので鍵太郎もホールに入るべく、腰を浮かしかけたのだが――
「あーもう、マジへこむわ。あんな演奏されたら、金賞の枠いっこ少なくなっちゃうじゃん」
聞こえてきた声に、動きかけていた身体がぴたりと止まった。
話をしているのは中で今の演奏を聞いていた、どこかの学校の生徒だ。
「大丈夫だよ。私らだってあんなに怒鳴られながら、がんばってきたじゃない。あれだけ苦労したんだもん。絶対金賞取れるよ」
「そうよね――絶対、あたしたちの方が上」
それもまた、知らない学校の制服で――彼女たちはこれから演奏をするのだろう。言葉を交わしながら、楽器置き場の方へ戻っていく。
「あんなの大したことない。どうせ銀だよ、銀」
「だよね」
「……」
そして、そんな二人の生徒を見送って――鍵太郎は改めて、周囲を見回した。
するとそこには今まで目に入っていなかったのに、ひそひそと、なにかを囁き交わす集団がいるのが見える。
「……」
緊張にこわばった顔をしている人。
きょろきょろと、辺りを見回す人。
座り込んで、うつむいている人もいて――会場にはそこかしこに、張り詰めた空気が漂っている。
いろんな人がいて、いろんな意見があるんだと、一年前にここで先輩に教わった。
けど去年と同じく絡みついてくるような、この気持ち悪い湿気は――
「……なにやってんの」
と――
そこで光莉に声をかけられて、鍵太郎は詰まっていた息を吐き出した。
いつの間にかかなり、呼吸が浅くなっていたようだ。
喘ぐように荒い息を何度か繰り返して、最後に深呼吸をして落ち着ける。
そんなことをしているうちに、またホールへの扉は閉まってしまった。
しょうがないので、二人でまた同じところに座る。
次の演奏が始まったので、黙って聞いていると――
隣から光莉が、おずおずと話しかけてきた。
「……言っとくけど、さっきのは――私もなんか、ちょっと違うかなくらいには思ったからね」
「……そうか」
去年はどちらかというと、彼女もあちら側だったように思うが。
やはりこの一年で少し、光莉も考え方が変わってきたらしい。見れば彼女は不満げに口を尖らせながらも、去年のように立ち去りはせず、そこに座っている。
テレビの中の演奏は、先ほどの学校とはまた違ってそこまでは上手くない。
けれどもそれを聞きながら、光莉は続けた。
「……金賞銀賞銅賞がつくのは、当たり前のこと。そこに向かって力を尽くすのも、当たり前のこと。
だから気にすることなんてないじゃない。私たちは私たちで、自分たちの演奏をすればいい。それだけのことよ」
「……ひょっとして、慰めてくれてるのか」
「ばっ……ばっかじゃないの!? あんたがあのくらいでへこんでるから、なっさけなくてムカついてるのよ!? あのくらいで! 本当、あのくらいで! あんたもう本当に、馬っ鹿じゃないの!?」
「そうか……まあ、そうだよな」
いつものように、散々な言われようではあるが。
それでも彼女がいつもの調子で言ってくるのが妙にありがたくて、鍵太郎は苦笑した。
どうも周囲の雰囲気にあてられて、少し自分を見失っていたようだ。
去年も感じたが、やはりコンクールというのは少し特殊な舞台であると思う。
なんといってもこの空気がそうだ。今まで自分たちだけでやってきたところに、他の学校が入って競争になるのだから――と、思ったところで。
ふと鍵太郎は、選抜バンドで出会った、あのでっかいくせに気の小さい、同じB部門のチューバ吹きのことを思い出していた。
あいつが嫌いだったのはたぶん、こういう雰囲気だったのだろう。
そう思って、もう一度周囲を見回す。今ならあのときよりもう少し深く、これについて彼とも話せそうな気がしたのだが。
しかしそこに、期待していた姿はない。
ひょっとしたら、この会場のどこかにはいるかもしれないと携帯に手を伸ばしかけるものの――そういえば選抜メンバーとは、誰とも連絡先を交換していないのだった。
こんなことになるなら聞いときゃよかったと思うのだが、今さらそれを悔いたところでしょうがない。
けれども先ほどのようなことをまるで気にしないで本番に集中できるかと訊かれたら、迷わず首を縦に振ることは、できそうもなかった。
光莉のおかげでだいぶ楽にはなったが、まだどこかにモヤモヤとした、すっきりしない気持ちは残ってしまっている。
ならば、それには自分で折り合いをつけるしかないのだろうが――
「……」
結局、『答え』はどこにあるのだろうか。
それを求めてテレビを見るが――やはりそこには、自分の望むものは映っていなかった。
###
色々なことがあって、ようやくここまで辿り着いたけれども。
「――先生」
まだあとほんの少しだけ、なにかが足りないような気がして。
鍵太郎は、自分の隣にいる指揮者の先生に対して、質問をしてみることにした。
外部講師の
「相談、したいことがあって。……あ、とは言っても、予選のときみたいに、先生に全部決めてもらおうって話じゃないんですけど」
ここはもう、本番直前の控え通路だ。
そういえば、予選のときも似たようなことをしていたなあと首をひねる。なんだか今年は、どこまでも迷いっぱなしである。
でもやっぱり、それを放っておいたまま本番に臨むことはできないのだ。
なにをしたいのかよくわからないまま楽器を吹いても、ロクなことにはならないのは経験上わかっている。だから今回は城山に、思考の整理を手伝ってもらうことにしたのである。
楽器を始めてたった二年の自分と違って、この先生はコンクールを何度も経験しているはずの、プロの奏者だ。
ならばさっきのような場面も、何度か目にしているはずだろう。
この人はあれを、一体どう思っているのだろうか。それを訊くために、鍵太郎はどこから切り出そうか少し迷ったのだが――
そこでふと思い出した自分の経験を、ひとつ話すことにした。
「あの、先生。俺、前に楽器を持って行くのにソフトケースを使ったら、他の学校の人にものすごい変な目で見られたことがあるんです」
それは選抜バンドのとき。
顧問の先生に言われて、いつもの重いハードケースから、持ち運びしやすいソフトケースに入れ替えて楽器を持って行ったら――そこに集まった他校の生徒たちに、戸惑いと好奇の目を向けられたということがあった。
後で知ったのだが、高校生でソフトケースを使うことなど、そうそうないらしい。
知らなかったからしょうがないとはいえ、あれで変に悪目立ちしてしまったものだ。
けれど――今の状況は、そのときと似たようなものではないかとも思う。
「俺たちが正しいって思ってきたことって、実は一歩外に出たら、すごく変なことなのかなって……。自分たちとしてはすごいがんばってきたつもりでも、それは他からしたら全然大したことない、取るに足らないものなのかなって」
今までの自分たちがやってきたことを振り返るに――そこにはひとつも、恥じることはないと思った。
そこは断言できる。
ただ、ここはコンクールだ。
自分たちの演奏が点数で、評価される場だ。
いくら自分たちだけがいいと思っても、人に受け入れられなければ結果は出てこない。
ああ、そうか――とそこで、鍵太郎はようやく不安の正体に行き当たった。
それは――
「俺――みんなが馬鹿にされるのが嫌なんです」
トラックで自分の背中を押してくれた、貝島優が。
不満げな顔をしながらも、隣に座り続けていてくれた、千渡光莉が。
彼女たちがやってきたことが、ほんの少しだけ変わったことが――
『大したことない』と言われることだけは、絶対に、我慢ならなかった。
「俺自身がどう言われても、それは別に構わない。いや腹が立たないわけじゃないけれど、それは俺が気づかなかったせいだから。
でも、演奏を聞いた人たちの意見は、俺が決められることじゃない」
点数を決めるのはいつも、自分たちのことを全く知らない他人たちだ。
考え方も立場も、年齢も性別も経験も。
全部が違う他の誰かが、自分たちのやってきたことを評価する。
だとしたら――
「教えてください、先生。俺たちが立っているこの
限られた椅子を奪い合うことしか能がなく。
結果のためなら他人を傷つけることも厭わない。
自分たちよりいいものを持っている人を羨み、漂うのは不安ばかりで。
なにをしたところで思いも願いも祈りも未来も、全部点数で処理されるのが、この世界の『普通』なのだとしたら――
今まで自分たちが信じてきたものは、全くの偽者ということになってしまう。
「そんなんじゃないって、自分では思ってるんです。でもどこかに、まだ怖さがあって――なにも気にしないで演奏するっていうのは、できそうもなくて。だから――」
「湊くん」
止まらなくなりそうだった言葉を、城山が制止した。
それまでこちらの言うことを静かに聞いていた先生は――静かに微笑んで、口を開く。
「まず最初に言っておくと、きみたちの演奏は、どこに出しても恥ずかしくないものだ。それは僕が、この指揮棒にかけて誓ってもいい」
「……はい」
ゆっくりと言い聞かせるような、それでいて力強い口調に、少し落ち着きを取り戻す。
ひとつうなずいて、城山は続けた。
「『競争』っていうのは、僕たちにかけられた一種の呪いみたいなものだよね。誰かより上になりたい。誰かより下に見られたくない。それはごく自然な反応だ。否定することはない。だからこそここまで発展してきたとも言えるし、耳を塞ぎたくなるようなことを、聞くようなことになったりもする。それは、わかるね?」
「……はい」
自分にだってその感情はあるし、だからこそ、こんなことになっているのもわかる。
この世界から競争なんてなくなるわけがないし、どこかで納得して、進んでいかなければならないこともわかっていた。
でも、じゃあどうすればいいのかと訊かれたら、それがわからなくて――
「みんな今よりよくなりたいって思ってる。でも、どうすればいいかよくわからなくて、不安に思ってる。そういうのを煽って自分や周りを焚きつけている人も、いないではない。……個人的には、あまり好きではないけれど。
でもね――そういうときに必要なのって、やっぱりどうしても『他人』だと思うんだよね」
「……?」
急に話が飛んだので、鍵太郎はいつの間にかうつむいていた顔を上げ、城山を見た。
前に、他人は自分の鏡だって言ったことがあったね――と笑って、先生は続けた。
「自分が一生懸命やろうとしていることや、必死にやってきたことが受け入れられるかどうかを不安に思わない人間なんて、まずいないんだ。その不安を、どう解決するかは人それぞれだけど――
でも、その中で僕が一番いいと思うのは、そこで他人を拒絶することじゃなくて、他人の中に自分を見て、それをどう迎え入れようとするかだと思うんだよね」
自分だけだと『自分』がわからないから。
それを他人に重ねて、もっとこうしようとか、ああしようとか、人を道標にして歩いていこうとするんだよね――と。
そんなことを言う城山の示す先には心当たりがあって、鍵太郎は驚いて口を開いた。
「先生、それって……」
「そう。これはそもそも、『きみが歩いてきた道』の話なんだ」
だからね、と先生は茶目っ気たっぷりに笑う。
「ここまで歩いてきたきみは、もう『外の世界』をたくさん見てきてるはずなんだよ」
この会場で見たことだけじゃない。
ここに来るまでに、触れてきた考えがたくさんあったはずなんだよ。
そう言われて、鍵太郎は自分が辿ってきた道を振り返った。
そこには――
「目を逸らしたくなるようなこともあったかもしれない。けど、そうでないことだって、絶対にあったはずなんだ」
いつも最初は考え方が合わなかったはずの、誰かの姿があった。
新入生歓迎演奏のときも、老人ホームのときも、選抜バンドのときも、そして予選のときも。
始めはみんないつも他人同士で、けどその自分ではない誰かと、いつしか一緒にいるようになった。
なら――
「それを信じて、進んでいくといい。不安に思うのはきみがそれだけこの本番を、そして一緒にいてくれる仲間を、大切に思っている証拠だから。
その不安と緊張は、大事にするといいよ。それがきみを、もっと広いところに連れていってくれる」
『この
それがわかって――鍵太郎は城山に礼を言った。
「ありがとうございます、先生」
「いやあ、どういたしまして」
そう言って城山がへらりと笑うと同時に、前の学校の演奏が終わった。
大ホールに続く扉が開いて、照明が落とされた舞台が目に入ってくる。
そこにはきっと本番になれば、ひたすらにきつい光量が降り注ぐのだろうが――
「――これで、がんばれそうです」
笑って、その中に飛び込んでいくことができる。
確かにコンクールは、戦場なのだろう。
金賞も県代表の枠も、そしてそこにたどり着くための得点でさえも――全ては数字で決められているのはわかっている。
けれど、そこになにか意味があるとするならば。
「それが『答え』だ、か」
これからひるがえすは、体制への反旗。
打ち上げるは信仰の柱。
顕現するは――『民衆を導く自由の女神』。
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