Ⅱ


「エイス・ワイス・トラルド」

 エニシの十八番、トラルドの風を掌に呼び込む。

「クラッセル!」

 竜巻が周囲に巻き起こった。エニシの周囲を取り囲んでいた魔術師たちが呑み込まれ、空へと放り投げられていく。

 彼らは既に敵陣の真っ只中に飛び込み、陣内に探りを入れていた。

 戦争において魔術師が主な戦力を担うようになってから、戦い方は大きく変わった。機械兵器は意味をなさなくなり、如何にして敵の主たる魔術師を倒すか、に主眼が置かれるようになる。戦闘方法としては、近代の近接集団戦闘に戻ったと言ってもいい。ひとりの魔術師が〝魔〟を束ねることで、壁を張りすべての攻撃を無効化するのが、一般的な防御方法だ。それを突破するには更なる〝魔〟と、それを成す者を消す、ふたつの方法しかなかったのだ。

 そのような過程を経て、今、まるで古の物語の将のように、一騎当千と言わんばかりにエニシが魔術を振るっている。

「クラッセル!」

 今度は大きな風の流れが人を吹き飛ばしていく。そうしながら、しきりに首を振り、周囲に目を光らせていた。どこか安全なところから、こちらの戦力を把握しつつ、いつ攻めるかを図っている指揮官相当の魔術師がいるはずである。早めにその者を見つけ叩くか、少なくとも本部に知らせなければならない。その諜報こそが、まずこの三人に課された役目だった。

「クラッセ……」

「もう、いいかな」

 更に魔術を唱えようとしたエニシの耳元で、誰かが囁いた。

 背が総毛立ち、必死に飛び退る。

「君が指導者なのだとしたら、私たちも楽なんだが」

 また、後ろから囁くような声がした。顔を見ることができない。唾を飲みながら先程まで唱えていた魔術を後ろに放つ。

「まずは、ひとり」

 首だけ振り返って結果を確認しようとしたエニシの耳に、また耳障りな声が入ってくる。

 次にエニシが聞いたのは、耳に轟くような轟音、そして見たのは、身を包む業火だった。


「ふん、他愛もない」

 ヒラグモは手を振り、指先に付いた土を払った。

 彼の手から放たれた土塁は、既に多くの者を地上送りへとしている。

「さて、つぎはどこの部隊じゃ?」

 振り向いたヒラグモの視線に、その先の魔術師たちが思わず身を引く。この子供を、見た目から判断したものはいなかった。この戦場のど真ん中に単騎で突っ込んでくる人間を見くびるような愚か者は、この精鋭軍にはいない。それでも、赤子の手を捻るようにこの少年は次々と葬り去っていくのだ。

「来ないのなら、こちらから行くぞ」

 目を向けていた一団へ、一直線に飛んで行く。別に、土系の魔術が得意なだけで、風系のものを使えないわけではないし、普通の魔術師と比べたらそちらも一流の腕前だ。一息で距離を詰めたヒラグモが、一団の頭上で手を振りかざした。

 その腕を、何者かの分厚い掌が掴む。

「んん?」

 怪訝に振り返ると、顔の濃い、南方系で褐色に焼けた肌の男が、白い歯を見せつけて微笑んでいる。

「何者じゃ、貴様」

「それは、こちらの台詞だよ。だけど、魔術師の実力に、年齢は関係ないか。幾ら子供といえど、これ以上俺たちに迷惑をかけるなら、厳しく対処させてもらうよ」

「ふん、そこそこの力はありそうじゃが、儂を見た目で判断しておる時点でたかが知れておるわ」

 手を振り払うと同時に、ヒラグモは反対の手を男の腹に押し当てた。

「飛べい。カシワギ――」

「子供じゃないなら、なおのこと、容赦はしない」

 急に厳しい声が振ってきたかと思うと同時に、目に見えぬ重りがヒラグモに圧し掛かった。

「――っ! これは――」

「へえ、これを耐えるか。それじゃあ、これは?」

 詠唱し、掌をヒラグモの背中に当てる。

「墜ちろ」

 そのひと言と共に、ヒラグモは這いつくばるように地面に叩きつけられた。


「どけどけどけえい!」

 エルドルトが腕を振るい、炎柱を乱発して突き進んでいく。

 地上部隊は、それをまともに受け、蹴散らされながらも一矢報いんとするが、これは魔術なのかそれともエルドルトの強靭な体なのか、ものともせず勢いを弱めることすらままならない。

「ふん、どんなもんかと思ったが、政府軍も他愛ない。儂からしてみれば、こんなもの朝飯前じゃあ!」

 やはりどこかヒラグモとエルドルトは似ているのかもしれない。同じように政府軍を評しつつ、軍の中を分け入る。

「うっしゃあ!」

 ひと際兵の壁が厚かった地点の敵を吹き飛ばすと、陣幕が現れた。

「うん?」

 眉根を寄せながら、ゆっくりと近づいていく。

「止めろっ!」

 敵兵が必死に食い止めようと飛び掛かってくるが、拳骨ひとつで黙らせてしまう。

「誰かおるんか?」

 ひょい、と捲ったその先にいたのは、裸身に薄いベールを纏っただけの美しい女性だった。背が高く、豊満で、手足が長い。

「おわっ! す、すまん!」

 慌てて締めて背を向けるが、この状況がおかしいことに気が付く。敵なら、何か理由があってのことだろうし、敵でないなら、ただの不審者か。それにしても、こんな場所にいるのはおかしい。とにかくもう一度、と幕に手を掛けたその時。

「えっち」

 目の大きな、紫の長い髪をした端正な女性の顔が、目の前にあった。

「うおわあっ!」

 慌てて飛び退る。

「駄目でしょう? 女性の部屋を勝手に覗いちゃあ」

「こ、こんなところに部屋を持ってくる方が悪いわい!」

「あら、そーお? でも私、自分のおうちじゃないと落ち着かなくて」

 とぼけているようで、しかし、本気で言っている。このそぐわない状況にエルドルトは混乱をきたした。

「な、何もんじゃ、お主は」

「私? 私は、エレナ・パーカー」

「エレナ……どこかで聞いたことあるような……」

 言いながら、幕内から顔だけ出す女性をまじまじと眺める。この向こうに先程の裸身があると思うとやはり動揺するが、それでも、その特徴的な紫の髪と顔立ちで思い至った。

「セレナ! お主、セレナと何か血の繋がりが――」

 言いながら、思い出していた。

 ――私の姉は、五芒星なの。

「お主――」

「ごめんね。妹には悪いけど、ちょっとお灸を据えさせて?」

 エルドルトの頭上を、黒い影が覆った。振り向くと、先程とは比べ物にならないほどの魔術師たちが、飛び掛かってきている。

「じゃねー☆」

 エレナが幕を閉めた。人間の塊に押し潰される音だけが、彼女の後を追った。


「ミカド、まずい。三人との連絡が途絶えました」

「何」

 フレイレの報告に、ミカドが顔を強張らせる。彼らは、この国でも最強の部類に属する魔術師であり、貴重な最重要戦力である。それがこの序盤早々に欠けたとなれば、この戦いの趨勢は決まったも同然で、ここからの戦術と目的も、全く違ったものになってくる。

「セレナ、残りの五人はもういけるか」

――まだ掛かるわ

「わかった。じゃあ君の判断でできるだけ早くその五人も含め、負傷者を連れて戦場を離脱してくれ」

 ――どういうこと? 私も戦う――

「駄目だ。もう、ほぼ勝ち目はない。そんな戦いで無駄に戦力を減らすことなど許されない」

 ――だったら、せめて被害を減らすか、少しでも向こうに損害を

「そんなことより、私たちの希望の灯を消さないことの方がよほど重要なのはわかるだろう。大丈夫。その最も大事な火種は、必ず救出してから脱出する」

 ――……わかったわ。

 繋がりが切れ、ミカドとフレイレだけになる。ミカドはひと息だけ、体から力を抜いて、洩らした。

「そう、うまくはいかないものですね」

「まったくだ。だが、そんなときのためにこそ、私たちがいる。そうだろう?」

「損な役回りです」

「完全に同意するよ」

 自嘲すると、すぐに顔を引き締め、残っていた魔術師たちを集めた講堂へ、通信を放つ。

「諸君、残念ながらこの地は一旦手放すこととなった」

 ざわめきが伝わってくる。だが、ここに来たものは皆、覚悟を決めた変革者たちだ。すぐに、それも収まった。

「先程からの攻撃だが、世界政府の戦力の最高級が揃っていると考えて問題ない。それに対しての準備は、申し訳ないが足りなかった。心から皆に謝罪する」

 見えないだろうが、律義に頭を下げた後、ミカドが真摯に告げた。

「それでも、まだ希望は失われていない。諦める状態ではないと、私は確信している。それを証明するためにも、まずはここを抜け出し、私たちの基地、〝小さな魔術師〟へ皆を連れて、帰らなければならない。力を貸してくれるか?」

 大きな同意の声が講堂に響き渡り、通信を通さなくても玉座の間まで届き、揺れた。

「頼もしい限りだ。行こう」

 ミカドは外套を羽織り、フレイレは眼鏡を掛け直した。目指す先は、あの黒い大軍が蠢くど真ん中。肩を回し、飛び出した。


 地面にうつ伏せで横たわっていたエニシが、おもむろに体をひっくり返し、仰向けとなった。

 ぼんやりと、空を見上げる。

「僕の言っていることは、そんなにおかしいかな」

 ただ、世界のために、しがらみでできないことをやろうとしているだけなのに。

 世界の国々が結託して、ここまでやるようなことなのだろうか。

 頭上から、とどめを刺そうと黒い粒が降ってくる。その粒ひとつひとつが、近づけばひとりの魔術師なのに、どうして大勢となるとその考えを捨てて、流れに身を任せてしまうだけになるのか。

 どさり、という音と共に、大きな体が隣りに落ちてきた。

「どうしたの?」

 空を見上げたまま、横に問う。顔を向けなくても、気配だけで誰だかわかった。

「ちと、油断してのう」

「へえ、エルドルトが油断だなんて、珍しい」

 首だけもたげ、エルドルトが投げられてきた方を見やった。

 男の集団に祭り上げられている半裸の女性が目に入る。

「……色仕掛け?」

「違うわい! この希代のプレイボーイに、何と失礼な。学生時代はそりゃあモテたもんじゃ――」

「わかったわかった」

 苦笑しながら、また地面に背中を預け、青く澄み渡った空を見上げる。

 誰のものでもない空を、誰のものでもない〝魔〟を牛耳っているのと同じように、我が物顔で占有している政府軍の姿が、目障りだった。

「……情けないね」

「……」

 エニシの呟きに、エルドルトも無言で同意を示す。

「もう一回、出直そう」

「そうじゃの」

 よいしょ、とふたりして重たい体を持ち上げた。

「これは、負けじゃない。僕らの存在を改めて世界に知らしめた、示威行為だ」

「本気になれば国も取れる、とな」

「そういうこと。この撤退は、戦略通り。そんな僕らを、政府軍は潰すことができなかった」

「と広報するのが、現実的な路線じゃろうなあ」

「それじゃ、帰ろうか」

 頬を両手で叩き気合を入れ直すと、エニシはまず、迫りくるエレナ・パーカーを担ぎ上げた一団に目をやった。

「あんなのにどうしてやられたのさ」

「うるさいのう。だから、油断したと言うとろうが。細かいことは気にするな!」

 まだ何か言おうとしたエニシの機先を制すると、エルドルトがその剛腕をみしりと膨れ上がらせた。

「さあ、華々しい撤退の号砲といこうか!」

 腕が唸りを上げ、炎の束が飛んでいく。花火のように飛び散ったそれを、配下たちの壁により無傷で守られながら、涼しい顔でその光に照らされたエレナ・パーカーは、陶然と呟いた。

「素敵……。私のところに呼んであげようかしら」

 光が収まり、視界が開ける。

「あら」

 すると、そこにはエニシの背後に、アルフェンにやってきた〝小さな魔術師〟全員が揃っていた。

「さあ、帰ろう」

 エニシの号令と共に、魔術師たちが腕を掲げる。

「エイス・ワイス・トラルド、クラッセル!」

 凄まじい暴風が巻き起こり、エレナを取り囲んでいた魔術師たちが一斉に竜巻に吹き飛ばされていく。

「あらあらまあまあ」

 担ぎ上げられたエレナは、何かするでもなく、それに巻き取られ、飛んでいった。

 ひとりでは単なる風を吹かせる魔法も、それに特化し、技術を洗練させ、力を併せれば、ここまでのものとなる。

「これが、僕たちだ」

 エニシが宣言すると、仲間たちも皆、力強く頷いた。

 そして、振り返る。

「行こう」

 だがその進行方向に、彼らを強襲する新たな政府軍の姿が現れた。率いるは、褐色の好男子。

「エニシ、ここに来ている軍の概要だが、とりあえず五芒星は全員来ているようだ」

 エニシの後ろについたミカドがこれまでに手に入れた情報をもたらし、エニシが頷いた。

「先程のエレナ・パーカーもそのひとりだ。そしてあそこにいるのが、赤星、レッド・ソレイユ」

「なるほどね」

 エニシが吐き捨て、皆を引き連れてその情報に臆することなく正面からぶつかっていく。

「お前が主導者か? 若さっていいねえ!」

「ヒラグモはどうした!」

「さっきの子供かい? 駄目だろう、あんな小さな子を戦場に出しちゃあ――」

「お前より年上じゃと言うとろうが、この馬鹿者!」

 後方から飛び出してきたヒラグモの巨大な土の塊がソレイユを押し潰した。

「油断したわい」

「エルドルトと同じこと言ってる」

 呟いたエニシに一瞥を加えておいて、ヒラグモは手を合わせた。

「魔導士を舐めたこと、後悔させてやろう」

 急に、周囲の温度が下がったかのように、その場にいるもの皆、身震いした。

「……ヒラグモ?」

「オオクニヌシ――」

「ちょっと待った」

 その手を、突如現れた何者かが掴む。

「……レオンか」

〝魔〟の発動を止めたヒラグモが、手首を掴んでいる者の名を呼んだ。

「レオン?」

 ミカドが眉を上げ、男の顔をまじまじと眺めた。無造作な赤茶の長髪に、浮かんだ穏やかな笑み。焦げ茶の瞳には、賢さが湛えられている。

「まさか、レオン・バーナビー、なのか?」

「……お知り合いで?」

 隣りのフレイレが聞き、ミカドは首を横に振った。

「くだらない冗談はよしてくれ。君が知らないはずないだろう」

「……しかし――」

「こちらには、トラルドも、ヒラグモもいる」

「確かに」

 湧き上がりかけた期待とも似た疑問を、ミカドに冷静につぶされ、フレイレはその推測に屈した。

「太陽の七賢、ですか」

「そう呼ぶ人もいるね。はじめまして」

 いつの間に来たのか、ふたりの間から顔を出してレオンがにこやかに挨拶を交わす。ふたりが一瞬息を呑み、即座に魔術をぶつけようとしたが、その時にはもうその場にはおらず、宙に浮かんでいる。

 日輪を背にして、その男は告げた。

「レオン・バーナビー、巷では七賢、と呼ばれています。どうぞ、よろしく」

 無言で、エニシが突撃する。

「わお」

 エニシの風の剣を鼻先で躱し、口笛を吹くレオンに、エニシが鋭く誰何した。

「お前か」

「ああ、さっきの」

 思い出したかのように手を叩く。

「やっぱり君が主導者なの? だったら――」

 言葉の途中で、エニシの懐からテンが飛び出し、レオンの頬を傷つける。

「何?」

 テンとエニシでレオンを挟む形になると、突如としてその空間に竜巻が発生し、レオンが取り込まれる。

「だったら、何だって?」

「だったら、助かるな、って」

 エニシの言葉尻に乗るように、無傷で微笑を湛えたレオンが、エニシの後方に現れた。と同時にエニシの腕を掴みにかかるが、今度はその腕と反発し合うように、弾き、飛び退いた。

「おや。さっきよりは、ましになったかな?」

 無言で、エニシはレオンを睨みつけた。が、一度目を瞑ると、大きく息を吐き、肩から力を抜く。

「ん?」

「今日は、その時じゃない」

 それだけ告げると、腕を掲げ、号令をかけた。

「帰るぞ!」

 レオンが動くことによってできた隙間に、エニシが風を流す。

「乗れい!」

 エルドルトが腕を振るい、その風に勢いを作り魔術師たちが飛んでいく。

「……」

「行かせんよ」

 無表情でレオンが唇を噛み締めた前に、不意にヒラグモが立ち塞がる。

「へえ」

 皮肉交じりのように、くいと口の端を上げて見せた。

「まさか、君が〝小さな魔術師〟にいるとはね」

 行動を止められた様子のレオンを見かねてソレイユが前に出るが、その視界をフレイレの水煙が遮った。

「私の魔術は、もっと汎用性があるんですがねえ」

 同じような使われ方しかしないことに不満を漏らしつつ、フレイレも戦場を離脱していく。

 無念そうにしてレオンの指示を仰ぐソレイユに、レオンは視線をやらぬまま掌で抑えるように見せ、ヒラグモと対峙した。

「何を考えているんだい? 僕の作った秩序が最善だと、君もわかっているだろう。あの事が、あったんだから」

「こちらにはトラルドもおる」

 問答になっていないような会話を繰り広げるが、ふたりの間では通じ合っているようだった。

「へえ! あの彼が」

「時計は、再び動き出そうとしておる」

「……私が、時計の針を止めていたとでも?」

 ふたりの間に緊張が疾る。

「あの時は必要だったかもしれん。しかし、状況は変わりつつある、ということじゃ」

 先にヒラグモが視線を外し、力を抜くと、一歩退き、別れを告げた。

「またの」

 土柱が一気に天へと伸び、彼の姿を空へと消した。

 それを見送りながら、レオンは目を細め、ぽつりと呟く。

「また、か」

 七賢と呼ばれ半ば伝説となるほどにこれまで姿を消していた男が、久々に挨拶を交わした上に、ほどなく再開するという意思を示した。これに、意味を感じないわけにはいかないだろう。

 現世界の頂点に立つ魔導士は、少しの間感慨に耽った後、彼の言葉を待つ仲間たちを振り返った。その時には、もう悩みの欠片もない、いつも通りの爽やかな笑顔を浮かべている。

「さあ、予定通りの快勝だ。本部に伝えて、私たちも帰ろう」

「レオンさん……」

 ソレイユが窺うようにレオンの顔を覗き見る。

「何だい?」

 レオンはにこやかに返すが、その目の奥は、笑っていない。

「いえ、なんでも……」

 その目を見て、ソレイユはすごすごと引き下がった。

 じっと、〝小さな魔術師〟たちが消えた空の彼方を眺めている。

 一転、外套を翻すと、颯爽と部隊を率い、アルフェンへと進軍を開始した。

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