第4話 マリアとの信頼関係を築くⅠ

私は今、お部屋の中に閉じ込められているという状況です。


どうしてそんな事になっているかというと、私がマリアの後をついていき、

そのままお部屋の中へ入るとマリアがお部屋の鍵を閉めたからです。


結局、マリアが鍵を開けてくれないと私はお部屋の外へ出る事も

出来ないのです。


どうすればいいのかを考えていると私は

「どうしてこんな事になっちゃったんだろうね」


そんな事を考えていると、ドアがノックされて鍵が開いてマリアが

お部屋の中へ入って来ます。


「マリア、どうして私をお部屋の中に閉じ込める必要があるの、

理由を教えて」


「どうしても理由が知りたいの?」


「知りたいの、教えて下さい」


「じゃあ、教えてあげるね」


「うん」


「理由はね、私がカナエをここに呼んだんだよ」


「えっ、そうなの?」


「うん、そうなんだよ、驚いた」


「驚くけど、その前にどうして私何かを呼んだの」


「それはね、カナエの事が大好きだからに決まっているでしょ」


「ぜんぜんわからないよ」


「カナエの事を人目見た時から、惚れて大好きになったの」


「それだったら、初めに言ってくれれば良かったのに」


「どうしてもここへ連れてくる必要があったの」


「そうなんだ」


エルフであるマリアは私の事を人目見た時から、惚れて大好きになって

きっとここへ連れてきてお部屋の中に閉じ込めたのでしょうね。


そんな事をしなくても私はマリアが傍に居て欲しいって言えば、

ずっと傍に居るのにね。


「マリア、私の事が大好きならね、お部屋の中に閉じ込めるというのは

やめて欲しい」


「うん、わかった、お部屋の中に閉じ込めるのはやめるね」


「うん」


「でもね、衣服は返さないからね」


「それでいいよ、マリアの好きにしてね」


「わかったよ」


これで安心してマリアとの信頼関係を築く事が出来そうな感じはするけど、

どうやってしていくのがいいかなって考えます。


じっくりと頭の中で考えているとマリアが

「ねぇ、私と信頼関係でも築きたいの?」


「どうして?」


「前にも言ったけど、私は相手の心がわかるの」


「そういえば、そうだったね」


「どうして信頼関係を築きたいの?」


「それは現実世界へ帰るために決まっているでしょ」


「なるほどね」


「お願いよ、現実世界に帰る方法を教えて」


「嫌です、教えません、それに信頼関係を築いても教えないよ」


「そんな事って………………」


私がマリアとの信頼関係を築くというのは失敗に終わりそうです。


どうしてかというと、マリアとの信頼関係を築いてもマリアは

現実世界への帰る方法を教えないよと言っているためです。


これだと私はずっとこの世界の住人となって生活をするしか

生きていく方法がありません。


「マリアは私の事をどうしたいの?」


「それはね、カナエを私のものにしたいの」


「それってどういう意味なの」


「わからないの?」


「わかりません」


「教えてあげるよ、カナエと結婚する事だよ」


「私と結婚!?」


マリアは私と結婚するという事を考えているようです。


しかし、私はマリアの事を良く知らないし、当然だけど、

マリアも私の事を良く知らないと思います。


そんな事で私と結婚する事というのはおかしい気がします。


私はどういう反応をしていいのかがわかりませんが、

しっかりと答えてあげないとまずいような気がする。


「どうしても私と結婚したいの?」


「うん、カナエと結婚したい」


「じゃあ、私の言う事も聞いてくれるの?」


「それは聞かないかな」


「どうしてよ、それだと不公平でしょ」


「あのね、ここに居る時点でカナエは私のものでね、それと私の言う事は

絶対って覚えておいて」


「は、はい、わかりました」


結局、私はマリアの言いなりになるしかなさそうな気がします。


でも、そのうちにチャンスがあると思うので、私はそれを見逃さないで

しっかりと頑張っていこうと考えています。

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