言葉の意味
「れ、レナ・レッドキャップス・・・だよ。」
ずきん・・・レナの言葉が頭をこだまする。
俺、なにいってんだよ。この世界でのお互いが本名を知る意味【結婚したい】だってのに。こんな軽々しく・・・好きな女に聞くなんて。レランゼード・シンディーラともあろうものが!!
ちなみに俺の本名は最初、ついつい口を滑らしてしまったんだが、この日のためにあったのかな、あの失敗も。俺は、なんで今までレナ以外に誰もこのしろにおかなかった?・・・わかってる。男を置いたら盗られるかもしれないって、思ったんだ。女を置いたらレナとそいつが仲良くなって俺の相手をしてくれる時間が減るのがいやだったから。・・・なんだよ、これ。よく考えたらただの独占欲拗らせてるだけだ。・・・レナの、反応。耳を真っ赤にして、俯いて、いつもと違う小さい声で。・・・まさか、意味を知って?
「すみません」
知らねぇ声だ。でも居留守は感じ悪い。レナを呼んでから出ることにしよう。
「ずきーん!降りてこい!客だってよー」
「えっ・・・う、うん。今いくよ、レラ君。」
レナが降りてきたのを確認してから重い扉を開ける。
「ありがとうございます・・・私、白雪姫ともうします。」
白雪姫・・・継母に殺されかけたとこを王子に助けられたっつー・・・
「で?用はなんなんですか?」
・・・レナの様子がおかしい。こいつ、ただ挨拶するためっつー訳じゃーなさそうだ。
レナは【真実の赤ずきん】だ。レナの前で嘘をつくとそれが嘘とばれ、真実を見抜かれる。(そして嘘じゃなくても真実を見抜かれる。)そのレナが反応していると言うことはこれだけではないはず。
「こほん・・・私、白雪姫は本日よりここメルヘン島に住まわせていただくことになりました。」
「で?」
「その・・・行く宛が無いのです。よろしければ泊めていただけますか?」
「・・・レラ君、どうする?」
「・・・歓迎する。俺はシンデレラ」
「私は赤ずきん」
「よろしくお願い致しますわね、シンデレラ城の主様と赤ずきんさん」
シンデレラ城の主様。やめろ、その呼び方を何て言おうと思ったがやめた。
「・・・よろしく。ずきん、案内お願いするぜ」
「わかったよ、レラくん。任せて。」
いつもみているずきんの背中。今日は少し心細げに見えた。
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